宗助そうすけ)” の例文
此日このひ宗助そうすけかくもとおもつて電車でんしやつた。ところ日曜にちえう好天氣かうてんきにもかゝはらず、平常へいじやうよりは乘客じようきやくすくないのでれいになく乘心地のりごゝちかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宗助そうすけ鍬をかたにかけ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
梯子はしごやう細長ほそながわくかみつたり、ペンキぬりの一枚板まいいた模樣畫もやうぐわやう色彩しきさいほどこしたりしてある。宗助そうすけはそれを一々いち/\んだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
小路こうじ泥濘ぬかるみは雨上りと違って一日いちんち二日ふつかでは容易に乾かなかった。外から靴をよごして帰って来る宗助そうすけが、御米およねの顔を見るたびに
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
佐伯さえきの叔母も安之助やすのすけもその後とんと宗助そうすけうちへは見えなかった。宗助はもとより麹町こうじまちへ行く余暇をたなかった。またそれだけの興味もなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
本屋ほんやまへとほると、屹度きつとなか這入はいつてたくなつたり、なか這入はいるとかならなにしくなつたりするのは、宗助そうすけからふと、すで一昔ひとむかまへ生活せいくわつである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「こうなると少し遣場やりばに困るのね」と訴えるように宗助そうすけに告げた。実際ここを取り上げられては、御米の御化粧おつくりをする場所が無くなってしまうのである。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)