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てんとう
ふりがな文庫
“
天道
(
てんとう
)” の例文
「
時計
(
とけい
)
なんか、いらない、お
天道
(
てんとう
)
さまさえあれば、たくさんだ。」といって、みんなは、はじめて、
太陽
(
たいよう
)
をありがたがりました。
時計のない村
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
天道
(
てんとう
)
というものはありがたいもんだ。春は赤く夏は白く秋は黄いろく、秋が黄いろになると
葡萄
(
ぶどう
)
は
紫
(
むらさき
)
になる。実にありがたいもんだ。」
土神ときつね
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「どこの世界に、血の付いた半纏を、これを見て下さいと言わぬばかりに、
天道
(
てんとう
)
様の下にさらしておく下手人があるんだ」
銭形平次捕物控:085 瓢箪供養
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ラザルス君、気の毒だな。そんなことをしてお
天道
(
てんとう
)
さまと睨みっくらをしていると、こころもちが好いかね。」
世界怪談名作集:14 ラザルス
(新字新仮名)
/
レオニード・ニコラーエヴィチ・アンドレーエフ
(著)
「今に見ておれ。あの夫婦は
碌
(
ろく
)
な死にようはせぬから……信心をせぬような犬畜生にはキット
天道
(
てんとう
)
様の
罰
(
ばち
)
が当る」
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
しばらくするとまた
唐紅
(
からくれない
)
の
天道
(
てんとう
)
がのそりと
上
(
のぼ
)
って来た。そうして黙って沈んでしまった。二つとまた勘定した。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
海が焼原に成って、仕方がない、それじゃ生命も続くまいから、
陸
(
おか
)
の方の青い草木を水にしておけ、と
天道
(
てんとう
)
の御情けで、融通をつけて下さる、と云った陽気ですからね。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おいらが隠密なら、おじさんたちに、すがたなど見せるものか、おいらは、
天道
(
てんとう
)
さまのまえだろうが、どこだろうが、ちっともうしろ暗いところがないから、平気さ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兼「それが
天道
(
てんとう
)
人を殺さずというのだ、
世界
(
せけえ
)
の事ア
皆
(
み
)
んな
其様
(
そん
)
な
塩梅
(
あんべい
)
に都合よくなってるんだけれど、人間というお世話やきが出てごちゃまかして面倒くさくしてしまッたんだ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
天道
(
てんとう
)
様のおっしゃることに
背
(
そむ
)
いて、一旦都へ出てしまったあたしはきっと罰を受けなければならないんだわ。黙ってここでじっと苦しみに耐えて行かなければならないんだわ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「夏ね。時間をきめてあるわけじゃないんですよ。お
天道
(
てんとう
)
様のかげんなんですよ」
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
天道
(
てんとう
)
さまにも御一同にも相すまなく、心苦しくて落ちつかず、酒でも飲まなけりゃ、やり切れなくなって、今夕御一同を御招待して、わしの過分の仕合せの
厄払
(
やくはら
)
いをしようとしたのに
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
俺アくやしくって、くやしくって、
天道
(
てんとう
)
さまを恨まずにやいられなかった。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「お慈悲深いお
天道
(
てんとう
)
さま! 十八年間も
生埋
(
いきう
)
めにされているなんて!」
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
イマダ
天道
(
てんとう
)
ノ罰モ当ラヌト見エテ、何事ナク四十二年コウシテイルガ、身内ニ創一ツ受ケタコトガナイ、ソノ外ノ者ハ或ハブチ殺サレ、又ハ行衛ガ知レズ、イロイロノ身ニ成ッタ者ガ数知レヌガ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
真赤なお
天道
(
てんとう
)
さんが沈まつしやる……それだのにまだ
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
米の飯とお
天道
(
てんとう
)
様はついてまわるだろうと思っている。
生活
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
あゝ
天道
(
てんとう
)
も
近
(
ちか
)
さ、神もあるものよ/\
ユタの歴史的研究
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
「お
天道
(
てんとう
)
さま、
金
(
かね
)
ン
綱
(
つな
)
。」
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「百も怪談をやっていると、夜が明けるよ、
天道
(
てんとう
)
様のカンカン照るところへ、何が出られるんだ」
銭形平次捕物控:093 百物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
よくいう
諺
(
ことわざ
)
に、
天道
(
てんとう
)
さまと米の
飯
(
めし
)
はつきものだというが、まッたく世のなかはしんぱいしたものじゃない。
人穴城
(
ひとあなじょう
)
がなくなったと思えば、こんないい
棲家
(
すみか
)
がたちまちめっかる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……お前が悪かったことに気がついて、本当のことをちゃんと白状したから、お
天道
(
てんとう
)
様が生き返らせて下さったのよ。きっと、そうよ。お天道様はいつでもいい子の味方をして下さるんだわ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
天道
(
てんとう
)
さまが、東の空へ
金色
(
こんじき
)
の矢を射なさるぢゃ、林樹は青く枝は揺るゝ、楽しく歌をばうたふのぢゃ、仲よくあうた友だちと、枝から枝へ木から木へ、天道さまの光の中を、歌って歌って参るのぢゃ
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
真赤なお
天道
(
てんとう
)
さんが
上
(
あが
)
らつしやる。やつこらさと
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「お
天道
(
てんとう
)
さま、
腐
(
くさ
)
れ
縄
(
なわ
)
。」
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
有馬屋が安穏に暮すのは
業腹
(
ごうはら
)
だが、それも今更どうにもなるめえ。俺が余計な事をしなくたって、
天道
(
てんとう
)
様は見通しだ、——人間の手でどうこうしようと思ったのが
間違
(
まちげ
)
えだろう
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
アアありがてえ、こんな
冥利
(
みょうり
)
を取りにがしちゃあ、
天道
(
てんとう
)
さまから、苦情がくら
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天道
(
てんとう
)
さまが、東の空へ
金色
(
こんじき
)
の矢を射なさるじゃ、林樹は青く
枝
(
えだ
)
は
揺
(
ゆ
)
るる、楽しく歌をばうたうのじゃ、仲よくおうた友だちと、枝から枝へ木から木へ、天道さまの光の中を、歌って歌って参るのじゃ
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
真赤なお
天道
(
てんとう
)
さんが沈まつしやるだに
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「ヘエ——、悪い月日の下に生れましたよ。女房に死なれた
翌
(
あく
)
る年、
騙
(
かた
)
りに引っ掛って身上を仕舞い、その二年後には娘に死なれたんですから。
天道
(
てんとう
)
様を怨む張合いもありません」
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうですよ、それにきまってまさアね。いわばみんな、庶民の汗や
膏
(
あぶら
)
や、よからぬからくりで作った不義の財。そいつをこちとらが、狙ッてぶんどったところで、
天道
(
てんとう
)
様も、よもやこち
徒
(
と
)
だけを
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「馬鹿だなア、付き合えって言えば、飲むことだと思ってやがる。染吉殺しはまだ目鼻もつかないじゃないか。明日の
天道
(
てんとう
)
様の出る前に、もう少し当っておきたいところがあるんだ」
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
木下様のおことばを聞いちゃあ、おれ達は、面目なくて、どうして
天道
(
てんとう
)
様が、罰をあてなかったか、ふしぎなくらいなものだ。今日まで、喰いつぶして来た米の手前にも、一世一代、働いてみる。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天道
(
てんとう
)
様に照らされても、とたんに木の葉にもならず、両国で一杯飲んだのが崩し始めで、柳原の土手を酒屋と小料理屋を一軒一軒飲み歩いて、七、八軒目にここへたどり着きましたが
銭形平次捕物控:338 初姿銭形平次 八五郎手柄始め
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
天道
(
てんとう
)
様は見通しでございますよ、親分さん」
銭形平次捕物控:106 懐ろ鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“天道”の解説
天道(てんどう、てんとう)とは、太陽が天空を通過する道をさすが、天体の運行には一定の規則性があるため、転じて天然自然の摂理、天理を意味するようになった。古代中国の原始宗教において、天地に存在する万物の運作は天の意思である「天命」によって決められたものであるとする思想が存在した。これが儒教の経典などを通して日本でも知られるようになり、さらに仏教や日本の在来信仰からも影響を受け、宿命論的な要素を持つ天道思想として中世から近世にかけて広く唱えられた。
(出典:Wikipedia)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
“天道”で始まる語句
天道様
天道樣
天道花
天道干
天道公平
天道虫
天道公平事
天道是耶非