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大吉
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だいきち
ふりがな文庫
“
大吉
(
だいきち
)” の例文
その東京の街路の
雑沓
(
ざっとう
)
、「
大吉
(
だいきち
)
」だの、
両替
(
りょうがえ
)
だの、
薬玉
(
くすりだま
)
だのの看板が、軒ごとに並んでいた下町の姿は、単に懐古的な意味でなつかしいというだけではない。
日本のこころ
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
あるある島田には間があれど
小春
(
こはる
)
は
尤物
(
ゆうぶつ
)
介添えは
大吉
(
だいきち
)
婆
(
ばば
)
呼びにやれと命ずるをまだ来ぬ先から俊雄は卒業証書授与式以来の胸
躍
(
おど
)
らせもしも
伽羅
(
きゃら
)
の香の間から扇を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
そんななかで大石先生は三人の子の母となっていた。長男の
大吉
(
だいきち
)
、二男の
並木
(
なみき
)
、末っ子の
八津
(
やつ
)
。すっかり世の常の母親になっている
証拠
(
しょうこ
)
に、ねえさんとよばれた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
お
豊
(
とよ
)
は
大吉
(
だいきち
)
と
云
(
い
)
ふ文字を見て安心はしたものゝ、大吉は
却
(
かへ
)
つて
凶
(
きよう
)
に返り
易
(
やす
)
い事を思ひ出して、
又
(
また
)
もや自分からさま/″\な
恐怖
(
きようふ
)
を
造出
(
つくりだ
)
しつゝ、非常に
疲
(
つか
)
れて
家
(
うち
)
へ帰つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
と
叫
(
さけ
)
んだときは
大吉
(
だいきち
)
の
喉
(
のど
)
に、
食
(
く
)
いついたような独楽の
分銅
(
ふんどう
)
、ブーンとひとつ
巻
(
ま
)
きついて、ふれるところに
火焔
(
かえん
)
をまわした。そして見るまにかれは顔を
焼
(
や
)
かれて
悶絶
(
もんぜつ
)
した。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
去年
(
きょねん
)
の
梅見時分
(
うめみじぶん
)
から
伊勢新
(
いせしん
)
の
隠居
(
いんきょ
)
の
骨折
(
ほねお
)
りで、
出
(
だ
)
させてもらった
笠森稲荷
(
かさもりいなり
)
の
水茶屋
(
みずぢゃや
)
が
忽
(
たちま
)
ち
江戸中
(
えどじゅう
)
の
評判
(
ひょうばん
)
となっては、
凶
(
きょう
)
が
大吉
(
だいきち
)
に
返
(
かえ
)
った
有難
(
ありがた
)
さを、
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
喜
(
よろこ
)
ぶより
外
(
ほか
)
になく
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
致しける其七日の
滿
(
まん
)
ずる日の
暮方
(
くれがた
)
山の上よりして
颯
(
さつ
)
と
吹下
(
ふきおろ
)
す風に飄然と眼の前に
吹落
(
ふきおと
)
す一枚の
牌
(
ふだ
)
あり手に取て見るに
立春
(
りつしゆん
)
大吉
(
だいきち
)
護摩祈祷
(
ごまきたう
)
守護
(
しゆご
)
可睡齋
(
かすゐさい
)
と記したれば三五郎は心に思ふやう彼の
可睡齋
(
かすゐさい
)
と云ば
東照宮
(
とうせうぐう
)
より御
由緒
(
ゆゐしよ
)
ある寺にして當國の
諸侯
(
しよこう
)
も御歸依寺也因ては可睡齋へ參り
委曲
(
くはしき
)
事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お豊は
大吉
(
だいきち
)
という文字を見て安心はしたものの、大吉はかえって
凶
(
きょう
)
に返りやすい事を思い出して、またもや自分からさまざまな恐怖を
造出
(
つくりだ
)
しつつ、非常に疲れて
家
(
うち
)
へ帰った。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
吉
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“大吉”で始まる語句
大吉備
大吉寺
大吉備津日子
大吉瑞