取外とりはづ)” の例文
わしたまやりるは、ひめかほようがためでもあるが、それよりもひめけたたふと指輪ゆびわある大切たいせつよう使つかはうため取外とりはづしてるのがおも目的もくてきぢゃによって、はやね。
「何だ、高田か。そんな物を吾々の部屋へは懸けて置かれないね。取外とりはづしたらいでせう。」
たれ一人ひとりよこるなんど場席ばせきはない。花枕はなまくら草枕くさまくら旅枕たびまくら皮枕かはまくらたてよこに、硝子窓がらすまど押着おしつけたかたたるや、浮嚢うきぶくろ取外とりはづした柄杓ひしやくたぬもののごとく、をりからそとのどしやぶりに、宛然さながら人間にんげん海月くらげる。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
張せられしが右樣の儀ならばまへ以て私共わたくしどもへおはなしの有べきはずなり若し此事町奉行所まちぶぎやうしよより御沙汰ごさたあらば貸主かしぬし三郎兵衞は勿論もちろん世話人の庄藏までの難儀なんぎなり何卒なにとぞ右の表札へうさつと御玄關なる御紋付ごもんつきのお幕はお取外とりはづしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)