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やくおと
ふりがな文庫
“
厄落
(
やくおと
)” の例文
厄落
(
やくおと
)
しということがある。夢もさっぱり落してしまったらばと、おりおり思う。それでもかれは夢から離れることもできず、夢もまたかれを離さない。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
下女の中にて三郎兵衞を少し
疑
(
うたが
)
ふ者ありしが夫は證據なき事とて是非なく
今年
(
ことし
)
の
厄落
(
やくおと
)
しと
斷念
(
あきら
)
め帳面を
〆切
(
しめきり
)
しが是を
不幸
(
けち
)
の始として只一人の娘に
聟
(
むこ
)
を
撰
(
えら
)
み
跡
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
……
妹背山
(
いもせやま
)
の
言立
(
いひた
)
てなんぞ、
芝居
(
しばゐ
)
のは
嫌
(
きら
)
ひだから、
青
(
あを
)
ものか、
魚
(
さかな
)
の
見立
(
みた
)
てで
西
(
にし
)
の
海
(
うみ
)
へさらり、などを
聞
(
き
)
くと、
又
(
また
)
さつ/\と
行
(
ゆ
)
く。おん
厄
(
やく
)
拂
(
はら
)
ひましよな、
厄落
(
やくおと
)
し。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今日の
厄落
(
やくおと
)
しを終ろうと、すらりと立って、片手には丸形の
行燈
(
あんどん
)
を携え、秋草の襖へ手をかけると、なんとなく心が
戦
(
おのの
)
く、その気持を取直して、これもスラリと襖をひらき
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
貧乏人の怨みの
塊
(
かたま
)
り見たいな金だ、盜られたら飛んだ
厄落
(
やくおと
)
しだらうと思ふと大違ひ。
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
道ゆく人もふり返ったが、清盛は、
厄落
(
やくおと
)
しにでも行くような気もちなのだ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
厄落
(
やくおと
)
し祝賀会の
宿酔
(
ふつかよ
)
いでござったろう」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
厄落
(
やくおと
)
しでもしたような心地がした。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
何物かつまづく辻や
厄落
(
やくおと
)
し
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
話
(
はなし
)
をするうちに、さく/\と
雪
(
ゆき
)
を
分
(
わ
)
ける
音
(
おと
)
がして、おん
厄
(
やく
)
拂
(
はら
)
ひましよな、
厄落
(
やくおと
)
し。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
疑ひし者も御座りしかど
證據
(
しようこ
)
なき事故
厄落
(
やくおと
)
しと心得相濟し候夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
卑
(
ひく
)
ふして頼けるに三郎兵衞は
碌々
(
ろく/\
)
耳にも入ず合力は一向なり申さず
勿論
(
もちろん
)
昔
(
むかし
)
は借用致したれども夫は殘らず返濟したり
然
(
さ
)
すれば何も申分有べからずとの返答に四郎右衞門
成程
(
なるほど
)
其金は受取たれども
仕舞
(
しまひ
)
の百兩は
大晦日
(
おほみそか
)
の事にて
帳
(
ちやう
)
へは付ながら金は見え申さず不思議の事と思へども
最早
(
もはや
)
夫
(
それ
)
は
昔
(
むかし
)
の事我等が
厄落
(
やくおと
)
しと存じ思切て
濟
(
すま
)
したり夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
厄
常用漢字
中学
部首:⼚
4画
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
“厄”で始まる語句
厄介
厄
厄介者
厄年
厄難
厄除
厄払
厄介物
厄日
厄前