ゑぐ)” の例文
これはたいてい赤貝あかがひるい貝殼かひがらゑぐき、その周圍しゆういばかりをのこして前腕まへうでにはめむでのでありまして、石器時代せつきじだい墓場はかばから人骨じんこつ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
私は自分の机の上——墨汁すみやインキで汚れたり小刀でゑぐり削られたりした机の上の景色、そこに取出す繪、書籍、雜誌などのことをくはしく御話して見たら
窓のツイ向うにはゑぐり取つた岩の斷層面がうす赤く見えてゐた。そしてその岩の上僅か一尺ばかりの廣さに空が見えた。何といふ深い色であつたことだらう。
樹木とその葉:03 島三題 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
と、たちまおぼゆるむね苦痛くつうちやう疼痛とうつうたれするどかまもつて、ゑぐるにはあらぬかとおもはるゝほどかれまくら強攫しがき、きりゝとをばくひしばる。いまはじめてかれる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
シヤイロツクに心の臓をゑぐり取られるより苦しかつたであらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
たゞ石斧せきふうちには、日本につぽん各地かくちからるのとおなじように、ゑぐりのはひつたものゝることは注意ちゆういすべきでありませう。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
それらのをのには横側よこがはゑぐりをれたものがおほいのであります。これらの石斧せきふみなよくみがいてなめらかにひかるように出來できて、非常ひじよう精巧せいこうつくかたであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)