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ぶんど
ふりがな文庫
“
分捕
(
ぶんど
)” の例文
橋弁慶の
行衛
(
ゆくえ
)
は不明であるが、この弁慶が
分捕
(
ぶんど
)
りした銅牌は今でも蓮杖の家に残ってるはずだが、これも多分地震でどうかしてしまったろう。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
私は何とかしてそれを
分捕
(
ぶんど
)
りしようと一生懸命に骨折った。幾度か同君の宅まで足を運んで懇望したが、何としても譲ってくれようとしない。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
一番どういう事の働きをするかといえば、まず戦争が起れば乱暴
狼藉
(
ろうぜき
)
を働いて、内地人の財産を
分捕
(
ぶんど
)
りする位の事でとても国の役には立たない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
この一戦こそは、求めもしないのに、官から
賊寨
(
ぞくさい
)
へ、わざわざ
貢
(
みつ
)
ぎの贈り物を運んできたようなものだった。
分捕
(
ぶんど
)
り品だけでもたいへんな量である。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
市長は
巷
(
ちまた
)
を
分捕
(
ぶんど
)
り、漁人は水辺におのが居を定めた。
総
(
すべ
)
ての分割の、とっくにすんだ後で、詩人がのっそりやって来た。彼は
遥
(
はる
)
か遠方からやって来た。
心の王者
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
朝鮮征伐から
分捕
(
ぶんど
)
って来た
荒仏
(
あらぼとけ
)
、その時代の諸将の
書翰
(
しょかん
)
、
太閤
(
たいこう
)
の
墨附
(
すみつき
)
……そんなような物をいろいろ見せられた幼時の記憶も長いあいだ忘られていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
枕を取って、スポンジボオル、枯れなくていい、万年いけの大松を抜いて、(構えました、)を
行
(
や
)
る。碁盤、将棋盤を
分捕
(
ぶんど
)
って、ボックスと
称
(
とな
)
えますね。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大きい軍艦でも商船でも鯨のやうに引き揚げて修繕するドックと云ふものや日清戦争で
分捕
(
ぶんど
)
りした軍艦や
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
松本藩の家老
水野新左衛門
(
みずのしんざえもん
)
という人の
討死
(
うちじに
)
、そのほか多数の死傷に加えて浪士側に
分捕
(
ぶんど
)
りせられた陣太鼓、鎗、具足、大砲なぞのうわさは高遠藩を沈黙させた。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
空魔艦は、若鷹丸探険隊員の手によって、うまく
分捕
(
ぶんど
)
ることができた。しかしこれをどうして日本まで動かしたらいいのであろうかと、大月大佐たちは困っていた。
大空魔艦
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
弓鉄砲で打ちすくめろ! むやみと
喊声
(
かんせい
)
を上げるのだ!
牽制
(
けんせい
)
するのだ、敵勢をな! それから槍だ! 突き崩すがいい! 手に余ったら火をかけろ!
分捕
(
ぶんど
)
り功名勝手次第。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それは官軍が彰義隊から
分捕
(
ぶんど
)
った糧米を、その見物の連中に分配しますと、我も我もと押し迫り、そのゴタゴタ中に一俵二俵と
担
(
かつ
)
いで行く……大勢のことで、誰がどうしたのか
幕末維新懐古談:19 上野戦争当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ある少数の人の手に余分に
分捕
(
ぶんど
)
られ、それがために残りの多数の人々は食うものも食わずに困っているのである、というふうに考えている者もあろうが、それは大きな間違いである。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
坊ばは隣りから
分捕
(
ぶんど
)
った偉大なる茶碗と、長大なる箸を専有して、しきりに暴威を
擅
(
ほしいまま
)
にしている。使いこなせない者をむやみに使おうとするのだから、
勢
(
いきおい
)
暴威を
逞
(
たくま
)
しくせざるを得ない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ソレを
分捕
(
ぶんど
)
りしようと云うことを企てゝ、そうして
奥州
(
おうしゅう
)
宮古
(
みやこ
)
と云う港で散々
戦
(
たたかっ
)
た所が、負けて
仕舞
(
しまっ
)
て
到頭
(
とうとう
)
降参して、夫れから東京へ護送せられて、その時は法律も裁判所も何もないときで
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そして母に対する勝利の
分捕
(
ぶんど
)
り
品
(
ひん
)
として、木部は葉子一人のものとなった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
吉といわれし軍夫は、
分捕
(
ぶんど
)
りなるべし、紫
緞子
(
どんす
)
の美々しき
胴衣
(
どうぎ
)
を着たり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
若衆首
(
わかしゆくび
)
と、
分捕
(
ぶんど
)
られたる
珍寳
(
たから
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「待っていた」と、
呼延灼
(
こえんしゃく
)
は言った。「——どうせ、やぶれかぶれと、打って出て来たにちがいない。こっちは船手不足のところ、渡りに船だ。船を
分捕
(
ぶんど
)
れ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
木像に近よると、子供のことで手が届かない。閻魔王の
膝
(
ひざ
)
に上り、短刀を抜いてその目をえぐり取り、
莫大
(
ばくだい
)
な
分捕
(
ぶんど
)
り品でもしたつもりで、よろこんで持ち帰った。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ながらく海底大陸に
分捕
(
ぶんど
)
られていた巨船クイーン・メリー号はいまや奇妙なる帰還の途にのぼることとはなった。はたしていかなる方法によって、洋上に浮かびあがるのであろうか。
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それを
奪
(
と
)
り返し、また
併
(
あわ
)
せて武具馬具などの
分捕
(
ぶんど
)
り品を二十余
輛
(
りょう
)
の車馬に積ませて
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ロケットを
分捕
(
ぶんど
)
ってしまう決心をかため、階段をかけおりました。
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「金御幣の馬印、この手に、
分捕
(
ぶんど
)
ったりっ」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
捕
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“分捕”で始まる語句
分捕品
分捕物
分捕々々
分捕問題
分捕次第