共謀ぐる)” の例文
私共がまる共謀ぐるかなんぞになって居るように思われますので甚だ残念ですが、どうしてあの塔をあの高い窓から運び出したのでしょう
真珠塔の秘密 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
同類だ、共謀ぐるだ、同罪だよ。おい、芸者を何だと思っている。藪入やぶいりに新橋を見た素丁稚すでっちのように難有ありがたいもんだと思っているのか。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
万一松尾と共謀ぐるでなかったとしたら、男らしく謝罪あやまってさ、打揃って彼奴の印刷所へはいって、一つ立派なものに育てあげようじゃねえか。
神棚 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
老実らしい佐兵衛の話で、前後の事情はよく解りますが、それにつけても、和助が曲者と共謀ぐるだったことは疑いをれません。
何でもある産婆と共謀ぐるになつて、マホメット教を世界ぢゆうにひろめようと目論んでゐることだけは紛れもない事實で
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
こいつあ宝石商と共謀ぐるかあるいは関係のある奴の仕業だと睨んだ。殊によると宝石商自身であるかも知れない。
鳩つかひ (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
此処こゝへ粂之助が忍んで来て、お嬢さんを誘い出すような事になったのは、大方鳶頭も内々ない/\知ってるのではないか、粂之助と共謀ぐるになってお嬢様を誘い出し
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何かばかなことでもしでかしなすった場合に、あの人と共謀ぐるのように思われるのが恐ろしいのでございます
「ふむ、庇い立てするところを見ると、お前も共謀ぐるなんだな。……こりゃいい。そうとなれア、これから警視庁へ引っぱって行って、嫌でも口を開かして見せる」
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
『何だい?』と訊くと、『あなたの子と私の子が共謀ぐるになって、私達の子をいじめていますよ。私は私の子を叱って参りましたから、あなたも行って、あなたの子を叱って下さい』
社長秘書 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「黒須さんが私たちを誤解しているのよ。先生も共謀ぐるでやってる仕事だというふうに。」
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「いよいよ、父子おやこ共謀ぐるだ。よしっ、もう銭は要らねえ、みんな! 腹癒はらいせをしろ」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此奴こいつら二人は共謀ぐるになって先刻さっきからおれを馬鹿にしているんじゃないかしら」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『豚奴が、刃物とまで共謀ぐるになつて、わしを苦しめようとしてゐるのだらう』
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
「お滝とお前と共謀ぐるになってお松を誘拐かどわかして売ったに違いない」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
最初から言えば、綱吉は役僧と共謀ぐるになって、何か弱い尻のある藤次郎にからくりの箱をこしらえさして、長い間いかさま富を興行していたんだ。
ところでソローハはさほどつれない女でもなかつたし、第一、悪魔と彼女が共謀ぐるになつてゐたことも明らかだ。
これは何もあなたに関係したことじゃありません! 誰もあなたに悪意があったとも、共謀ぐるになっていたとも、そんなことをあえて思うような者はありませんよ。
此の丈助は大野と共謀ぐるになり、表に忠義と見せかけて小左衞門を鴻の台へ引出す手筈をいたしたので、かゝる悪人とも知らず、忠義なものと心得て目を掛けたがあやまりで
宿屋と船頭が共謀ぐるになっていて、宿屋では煮えづくしの飯を出し、船頭は『舟が出ますよ。舟が出ますよ』と火のつくように呼ぶでしょう。とても喉へ通ったものじゃありません。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
貰って、それで叔父さんと共謀ぐるになっていやしませんか。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
すると確かに、彼奴は松尾と共謀ぐるだったらしいんだ。
神棚 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「亭主と共謀ぐるでよくないことをやってるんです」
鉄の処女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
「文次と伊太郎も、二人共謀ぐるになれば、伊勢屋を殺せるはずだ。二人とも水に達者だから、一人が二三十間潜って、伊勢屋を刺して来さえすればいい」
「わたくしが共謀ぐるのように思われるわけは、例の合い図を、ごく内々でお知らせしたからですよ」
殺されたにちげえねえんで、それを店の番頭野郎がこうぬかすんだ、んでも粂どんがお嬢様を誘い出して、途中で殺して金子を取ったに違えねえ、鳶頭も粂どんと共謀ぐるになって
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
⦅マーシュカ、あたしは今、それどころじゃないんだよ⦆って。まあ、そんなことでしたの! じゃあ、ノズドゥリョフまでが共謀ぐるになっていたのですわねえ! まあ、呆れた!
「初めから二人共謀ぐるになっていて見合にしたんですわ」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「実はね、笹木の奴が松尾と共謀ぐるだったんだぜ。」
神棚 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「出來ない事ぢやないよ。母親おふくろ共謀ぐるでやれば、思ひの外手輕に拔け出せるし、鑿は、又六が居眠でもして居るところを狙つて背後から玄能げんのうか何かで叩き込むんだ」
何んでも水で殺すよりほかに仕方が無いと決心して、矢切の渡場わたしばで喜代松という船頭と共謀ぐるになっているとも知らず、迂濶うっかり乗った勇助を、川中でドブリを極めたのでございます。
「どうしておまえが共謀ぐるのように思われるんだ」
「私達、決して共謀ぐるじゃございませんのよ」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「出来ない事じゃないよ。母親おふくろ共謀ぐるでやれば、思いの外手軽に抜け出せるし、鑿は、又六が居眠りでもしているところを狙って背後うしろから玄翁げんのうか何かで叩き込むんだ」
んとか云ったのう、ウン富五郎か、其の野郎が共謀ぐるになって、殺したのだ、すると此の人のうちの嫁子が仮令たとえんでも亭主のかたきたねえでは置かねえって、お武家さむれえさんの娘だけにきかねえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「御覧。あの通り二人共謀ぐるになっている」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「世間ぢやそんな事を言ふが、まさか狸が泥棒と共謀ぐるになつて居るわけぢやあるめえ」
「世間じゃそんな事を言うが、まさか狸が泥棒と共謀ぐるになっているわけじゃあるめえ」
腹が痛いということにして、離室で来年の春の事でも話していたに違いない、——もっとも二人共謀ぐるになって、水の中の働きさえ出来れば、離室から抜け出して楽に伊勢屋を殺せたはずだ
平次、お前の腕前は大したものだと言うな、何分頼むぞ。曲者は間違いもなくあの浅五郎の奴だ。お町も共謀ぐるだろう、——浅五郎が船を追っかけて、向島の堤を往ったり来たりしていたのを
平次、お前の腕前は大したものだと言ふな、何分頼むぞ。曲者は間違ひもなくあの淺五郎の奴だ。お町も共謀ぐるだらう、——淺五郎が船を追つかけて、向島のどてを往つたり來たりして居たのを
「で、親爺の六兵衛と共謀ぐるで、いろいろ細工をしたのさ」
「で、親爺の六兵衞と共謀ぐるで、いろ/\細工をしたのさ」
「親分、あの宗太郎は弟と共謀ぐるなんで?」
「親分、あの宗太郎は弟と共謀ぐるなんで?」
「姪も共謀ぐるだつたら?」