トップ
>
不覚
>
ふかく
ふりがな文庫
“
不覚
(
ふかく
)” の例文
旧字:
不覺
だがそれをしなかった。
不覚
(
ふかく
)
のいたりだ。もっとも、そんなことをすれば、首領は一撃のもとに自分を
毒針
(
どくばり
)
でさし殺したかもしれない。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ところが、竹童の
信念
(
しんねん
)
はくつがえされて、
弓
(
ゆみ
)
をとっては
神技
(
かみわざ
)
といわれている蔦之助が、どうだろう、この
不覚
(
ふかく
)
? このみにくい
敗
(
やぶ
)
れ
方
(
かた
)
!
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
往って見ると此は
不覚
(
ふかく
)
、
扉
(
と
)
がしまって居る。
駅夫
(
えきふ
)
に聞くと、睡むそうな声して、四時半まではあけぬと云う。まだ二時前である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
こう答えた時私は、私の今までの全経歴、全経験を、私の胸の中にぱっと
展
(
ひろ
)
げられたのを感じた。
不覚
(
ふかく
)
にも私は、
微
(
かす
)
かな涙を私の眼に
宿
(
やど
)
した。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
それを知らず、のこのこと近づくまで出てきたのは、じつに
不覚
(
ふかく
)
でした。もうかくれる場所も逃げる道もありません。
大金塊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
五月近くなってから、「ことしの花は、どうだったけなあ」一人言い二人言い、言い出す人が、ちょいちょいあって、
不覚
(
ふかく
)
人は、私ひとりでもなかったことを知った。
花幾年
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
とたんに一歩さがった彼は、
不覚
(
ふかく
)
にも敷居ぎわの死体につまずいて
仰向
(
あおむ
)
けに倒れた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
思
(
おも
)
わず
知
(
し
)
らず、
我
(
わ
)
れとわが
袖
(
そで
)
を
濡
(
ぬ
)
らした
不覚
(
ふかく
)
の
涙
(
なみだ
)
に、おせんは「はッ」として
首
(
くび
)
を
上
(
あ
)
げたが、どうやら
勝手許
(
かってもと
)
の
母
(
はは
)
の
耳
(
みみ
)
へは
這入
(
はい
)
らなかったものか、まだ
抜
(
ぬ
)
け
切
(
き
)
らぬ
風邪
(
かぜ
)
の
咳
(
せき
)
が二つ三つ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
天明趣味の句はよくわかって居るが明治趣味の句はまだわかって居らん処がある。それに気が附かないで
独
(
ひとり
)
悟ったつもりになって後輩を軽蔑して居ると思わぬ
不覚
(
ふかく
)
を取る事がないとも限らぬ。
病牀苦語
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
そのうち、
不覚
(
ふかく
)
にも、
腐
(
くさ
)
れていたひさしの
端
(
はし
)
へ
踏
(
ふ
)
み
寄
(
よ
)
った
刹那
(
せつな
)
であります。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「於市、あしたは殿さまのお供だぞ。助作、権平のふたりもお供に加われ。朝はお早いかも知れぬから、そのつもりで
不覚
(
ふかく
)
すな」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
不覚
(
ふかく
)
な
態
(
てい
)
。面目もございませぬ。幾十日ぶりかで、守時の上にも、青空があったようなと、つい心をとりみだしまして」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのための熟睡も、今朝の
不覚
(
ふかく
)
をなした原因といえよう。彼の職分としても、尠なくとも明智勢が洛内へ足を踏み入れると同時にこの変を知るべきであった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんな者に、秘事の端でも洩らしたのは、一
期
(
ご
)
の
不覚
(
ふかく
)
と、道誉も拙者も
臍
(
ほぞ
)
を噛み、せめて彼奴に二年の禁足でも食らわせておけばと、後より手を打ったような仕儀でおざった。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「オオ、
不覚
(
ふかく
)
不覚、あまり話に身がいって、
時刻
(
じこく
)
のたつのを忘れていたとみえる」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と竹童は例の
棒
(
ぼう
)
切れを片手に持って、くる矢くる矢をパラパラと打ちはらっていたが、それに気をとられていたのが
不覚
(
ふかく
)
、たいせつな
果心居士
(
かしんこじ
)
の手紙を、うッかり
懐中
(
ふところ
)
から取りおとしてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不覚
(
ふかく
)
にも、つい、こぼれてしまった涙の
痕
(
あと
)
を、手で拭き消した。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
覚
常用漢字
小4
部首:⾒
12画
“不覚”で始まる語句
不覚人
不覚者
不覚千万