ちうつて三百年さんびやくねんといふ古家ふるいへひとつがこれで、もうひとつが三光社前さんくわうしやまへ一棟ひとむねで、いづれも地震ぢしんにびくともしなかつた下六番町しもろくばんちやう名物めいぶつである。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けつしてわるくいふのではない、こゑはどうでも、商賣しやうばいみちによつてかしこくなつたので、この初夏しよかも、二人ふたりづれ、苗賣なへうり一組ひとくみが、下六番町しもろくばんちやうとほつて、かど有馬家ありまけ黒塀くろべい
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
女中ぢよちうはうは、前通まへどほりの八百屋やほやくのだつたが、下六番町しもろくばんちやうから、とほり藥屋くすりやまへで、ふと、左斜ひだりなゝめとほり向側むかうがはると、其處そこ來掛きかゝつたうすもの盛裝せいさうしたわかおくさんの
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、ほのほいきほひころからおとろへた。下六番町しもろくばんちやうかずにえ、ひとちからまちほろぼさずにした。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
十四五年前じふしごねんぜん、いまの下六番町しもろくばんちやうしたころも、すぐ有島家ありしまけ黒塀外くろべいそとに、辻車つじぐるま、いまの文藝春秋社ぶんげいしゆんじうしやまへ石垣いしがきと、とほりへだつた上六かみろくかどとにむかひ、番町學校ばんちやうがくかうかどにも、づらりと
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)