トップ
>
一驚
>
いっきょう
ふりがな文庫
“
一驚
(
いっきょう
)” の例文
生前の深山木の鋭い探偵眼に驚いていた私は、ここにその深山木以上の名探偵を発見して、更らに
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
しなければならなかった。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
が、
主従
(
しゅうじゅう
)
ともに
一驚
(
いっきょう
)
を
吃
(
きっ
)
したのは、其の首のない
胴躯
(
どうむくろ
)
が、
一煽
(
ひとあお
)
り鞍に
煽
(
あお
)
ると
斉
(
ひと
)
しく、
青牛
(
せいぎゅう
)
の
脚
(
あし
)
が
疾
(
はや
)
く成つて
颯
(
さっ
)
と
駈出
(
かけだ
)
した事である。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬超は、手紙の内容を見て、
一驚
(
いっきょう
)
したが、念のため
彭義
(
ほうぎ
)
の家を訪れて、彼の容子を見届けることにした。なにも感づかない
彭義
(
ほうぎ
)
は
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、もしこの手紙を受け取ったとすれば、君は必ず僕の運命に
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
せずにはいられないであろう。第一に僕はチベットに住んでいる。第二に僕は
支那人
(
しなじん
)
になっている。
第四の夫から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
聞けば聞くほど、本艇には面倒な仕掛が
要
(
い
)
るのに
一驚
(
いっきょう
)
した。それと共に、僕はこれまでにはそれほど深い興味を持っていなかった本艇の科学に対し新なる情熱が湧いてくるのを感じた。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
私もふだん人から年少に見られる方ではあるが、鳴尾君の飛び抜けた若さには
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
した。村木さんはまた私より二つ上の二十七であったが、私達が幼いせいか、ぐっと老けて見えた。
西隣塾記
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
そうとはちっとも知らずに、食堂に入って飯を食っていると、突然この顔に
出食
(
でっく
)
わして
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
した。
固
(
もと
)
より犬の食堂じゃないんだけれども、犬の方で間違えて
這入
(
はい
)
って来たものと見える。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
挨拶
(
あいさつ
)
終りて、ふと
傍
(
かたわ
)
らに一青年のあるに心付き、この人よ、船中にても
種々
(
いろいろ
)
親切に世話しくれたり、彼はそも
何人
(
なんぴと
)
なりやと
尋
(
たず
)
ねしに、そは
何
(
な
)
にをいう、弟
淳造
(
じゅんぞう
)
を忘れしかといわれて
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
し
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
大原も
土産物
(
みやげもの
)
の
饒多
(
じょうた
)
なるに
一驚
(
いっきょう
)
し
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
部屋の中にいては気が附きませんけれど、暗い屋根裏から見ますと、その隙間が意外に大きいのに
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
します——稀には、節穴さえもあるのです。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
したようだった。——が、それはまだ宵のくちのことで、——あわてて彼もその本陣を三条北の河原から
悲田院址
(
ひでんいんあと
)
へかけて押しすすめていた。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ヘイ
蓬莱屋
(
ほうらいや
)
で
御座
(
ござ
)
い、ヘイ西村で御座い」と呼びつつ、手に手に屋号の
提燈
(
ちょうちん
)
をひらめかし、われらに向かいて
頻
(
しき
)
りに宿泊を勧めたるが、ふと巡査の護衛するを見、また腰縄のつけるに
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
して
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
聞くものは
一驚
(
いっきょう
)
を
吃
(
きっ
)
した。菜の花に見た蛇のそれより。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いや彼の床几はどこにしろ、彼もまたその伝令には、
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
したことにちがいない。武将は柵門へ引っ返して来た。そして高氏をいんぎんに迎え入れた。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、其処に如何にも巧妙なトリックの
弄
(
ろう
)
せられて居ることを発見して、
一驚
(
いっきょう
)
を
吃
(
きっ
)
したのである。
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
桂木
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
して
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
平左衛門は、
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
したが、つぶさに見れば、防禦工事はまだ半ばで、
衝
(
つ
)
けば、案外、
脆
(
もろ
)
いかと思われた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、その余りにも大胆な身のこなしに、
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
しないではいられませんでした。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
織田の群臣が
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
したのは、この
会盟
(
かいめい
)
が行われたすぐ翌日、元康は、今川領の
上
(
かみ
)
ノ
郷
(
ごう
)
の城を攻め、城主の
鵜殿長照
(
うどのながてる
)
を斬って、もう陣頭の人となっていたことであった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
読者諸君は右の記事を読んで、事の意外に
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
せられたことであろう。物語はまだ始った
計
(
ばか
)
りだ。それに、主人公である筈の明智小五郎は死んでしまった。これはどうしたことだ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と、あの変り者の秀吉も、この慶次郎の腕白ぶりには、
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
して帰ったことがある。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
精神分析学の書物を一冊でも読めば、幽囚された慾望というものが、どんなに恐しい力を持っているかに
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
するだろう。おれは、以前そんな事に興味を持って少しばかり読んだことがある。
疑惑
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼自身の大身代に
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
しないではいられませんでした。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“一驚”の意味
《名詞》
びっくりすること。驚くこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
驚
常用漢字
中学
部首:⾺
22画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥