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一膳
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いちぜん
ふりがな文庫
“
一膳
(
いちぜん
)” の例文
それでは御免
蒙
(
こうむ
)
って、
私
(
わし
)
は
一膳
(
いちぜん
)
遣附
(
やッつ
)
けるぜ。
鍋
(
なべ
)
の底はじりじりいう、
昨夜
(
ゆうべ
)
から気を
揉
(
も
)
んで酒の虫は揉殺したが、
矢鱈
(
やたら
)
無性
(
むしょう
)
に腹が空いた。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分はこの長い町を通りながら、自分らに適当と思う程度の
一膳
(
いちぜん
)
めし屋をついに九軒まで勘定した。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
桂正作は武士の子、今や彼が一家は非運の底にあれど、ようするに彼は紳士の子、それが下等社会といっしょに
一膳
(
いちぜん
)
めしに舌打ち鳴らすか、と思って涙ぐんだのではない。けっしてそうではない。
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
汝
(
なんぢ
)
が
可
(
よ
)
しと
思
(
おも
)
ふことならば
予
(
よ
)
は
何
(
なに
)
にても
可
(
よ
)
し、
些
(
ちと
)
變
(
かは
)
りたる
望
(
のぞみ
)
なるが、
汝
(
なんぢ
)
思附
(
おもひつき
)
の
獻立
(
こんだて
)
を
仕立
(
した
)
てて
一膳
(
いちぜん
)
予
(
よ
)
に
試
(
こゝろ
)
みしめよ
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
元二
(
げんじ
)
が、
一膳
(
いちぜん
)
めし
屋
(
や
)
の
前
(
まへ
)
を
離
(
はな
)
れて、
振返
(
ふりかへ
)
る、と
件
(
くだん
)
の
黒猫
(
くろねこ
)
が、あとを、のそ/\と
歩行
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
此
(
こ
)
の
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
宿
(
しゆく
)
はづれに、
漸
(
や
)
つと
戸
(
と
)
を一
枚
(
まい
)
開
(
あ
)
けた
一膳
(
いちぜん
)
めし
屋
(
や
)
の
軒
(
のき
)
へ
入
(
はひ
)
つた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
既
(
すで
)
に
獻立
(
こんだて
)
して
待
(
ま
)
ちたれば
直
(
たゞ
)
ちに
膳部
(
ぜんぶ
)
を
御前
(
ごぜん
)
に
捧
(
さゝ
)
げつ。「いま
一膳
(
いちぜん
)
はいかゞ
仕
(
つかまつ
)
らむ」と
伺
(
うかゞ
)
へば、
幼君
(
えうくん
)
「さればなり
其
(
その
)
膳
(
ぜん
)
は
籠
(
かご
)
の
中
(
なか
)
に
遣
(
つか
)
はせ」との
御意
(
ぎよい
)
、
役人
(
やくにん
)
訝
(
いぶか
)
しきことかなと
御顏
(
おんかほ
)
を
瞻
(
みまも
)
りて
猶豫
(
ためら
)
へり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お前さん、中は土間で、腰掛なんか、台があって……
一膳
(
いちぜん
)
めし屋というのが、腰障子の字にも見えるほど、黒い森を、柳すかしに、青く、くぐって、月あかりが、水で一
漉
(
こ
)
し漉したように映ります。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
膳
常用漢字
中学
部首:⾁
16画
“一膳”で始まる語句
一膳飯屋
一膳飯
一膳目