“ゆうゆう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
悠々89.4%
優游1.9%
悠悠1.9%
悒々1.2%
悠遊1.2%
呦々0.6%
幽々0.6%
幽黝0.6%
怒々0.6%
恁々0.6%
(他:2)1.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この被害品を小腋こわきにして、悠々ゆうゆうとして下りて来たから、血気盛んな村の者が、かえって出鼻をくじかれているのを
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
秋空は高く澄み渡り、強い風にさからうように、とびが一羽ピンと翼を張って悠々ゆうゆうえがいていた。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
物質的利益に超脱ちょうだつし、名誉、地位、得喪とくそうの上に優游ゆうゆうするを得ば、世間に行わるる勝敗は児戯じぎひとしきものとなる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
優游ゆうゆうとして時機の熟するをっていた、その心の長閑のどかさ、ゆるやかさ、今おもい出しても、閉じた眉が開くばかりな……そのころは人々の心が期せずしておのずから一致し
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
二人の土工はその店へはいると、乳呑児ちのみごをおぶったかみさんを相手に、悠悠ゆうゆうと茶などを飲み始めた。
トロッコ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
なにしろ人間の乗っていない飛行機が、操縦者でもあって操縦しているかのように悠悠ゆうゆうと着陸したことであるから、人びとはまるできつねにでもつままれたように不思議がっていた。
人のいない飛行機 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
——笏梧朗はなにか考え込んでいたがふと悒々ゆうゆうした目をあげた。
後の日の童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
恩樹は、女の前でこう言っては、悒々ゆうゆうしているのは、生むものを生まないせいだよ、そう当らず触らず私に言っていた。そんなときでも、よい育ちをした恩樹の眼は静かに澄んでいたのである。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そういえば君は、「何が平気なもんか、万里ばんり異境にある旅情のさびしさは君にはわからぬ」などいうだろうけれど、僕から見ればよくよくやむを得ぬという事情があるでもなく、二年も三年も妻子を郷国に置いて海外に悠遊ゆうゆうし、旅情のさびしみなどはむしろ一種の興味としてもてあそんでいるのだ。
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
例えば在原業平ありわらのなりひら悠遊ゆうゆうしていたころには、おに一口ひとくちいてんけりといったが、大江山の酒顛童子しゅてんどうじに至っては、都に出でて多くの美女を捕え来りしゃくをさせて酒を飲むような習癖があったもののごとく、想像せしめた場合もないではなかった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
令曰くしからば我家にも能く吠ゆる犬を欲しいが手に入れてくれぬかと、白曰く家中新たに一群の狗ありてその声他の狗に異なりと、令それはどんな声かと尋ねると、白その声はこんなぞと呦々ゆうゆうと吠えて聞かせた。
惨々さんさん幽々ゆうゆう、なにか霊壇れいだんを吹きめぐる形なきものが鬼哭きこくしてでもいるようだ……
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
月は次第に西の空にまわって、対岸の高い絶壁のかげに隠れた。月光を失った淵の面と河原は、俄に暗いかげの底に吸い込まれて行ったのである。巨猿の姿も、魚精のかげも幽黝ゆうゆうの底に抹消された。
岩魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
火を落として何物も出来ないとの事、缶詰を破って腹をやし、翌朝八時頃まで怒々ゆうゆうと寝込む。
「隆は矢張り殺されたんです。あの晩、私に催眠薬を飲ました犯人は、貴方あなたにも催眠薬を飲まして、恁々ゆうゆうと隆を殺して、何食わぬ顔をしてすまして居たのです」
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
——が、父親の返辞がないので、何心なくふりかえって見ると、眠元朗は悒悒ゆうゆうした眼で何か考えんでいるらしかった。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
明らかに貧しい生活くらしなのにもかかわらず、まことに融々ゆうゆうたるゆたかさが家中にあふれている。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)