“やけど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
火傷88.3%
焼傷4.5%
燒痕1.3%
大火傷0.6%
湯傷0.6%
火焦0.6%
火燒0.6%
灼傷0.6%
焦爛0.6%
焼疵0.6%
焼痕0.6%
燒傷0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しるこの鍋をくつがえされて、かお小鬢こびんおびただしく火傷やけどをしながら苦しみ悶えている光景を見た時に、米友の堪忍袋かんにんぶくろが一時に張り切れました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
悪魔は不意を打たれて、手やら足やら顔やら焼傷やけどをしました。けれども、そんなことには閉口しません。
豆小僧の冒険 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
和吉さんですか——あれは利口者ですよ。役者も田舍廻りでは良い顏だつたといひますが、あの燒痕やけどぢや、舞臺の色事師もだらしがありません。氣の毒ですね
二十三四の色白の女で、様子もそんなに悪くありませんが、半面の大火傷やけどあとで、顔を見るとがっかりします。
悦んで巣へ帰ると新妻羨んで何処いずこでかく美装したかと問う、老妻染物屋の壺に浸って来たとこたう、新妻これを信じ染物屋へ飛び往き沸き返る壺に入って死ぬほど湯傷やけどする
虐待ぎやくたいはずゐぶんひどいやうです。或晩あるばんなぞ、鉄瓶てつびん煮湯にえゆをぶつかけて、くびのあたりへ火焦やけどをさしたんでせう。さすがにおどろいて、わたしのところへやつてたんです。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
柔かさは無限だがそれはそつとして置く柔かさであつて、ふれるには何か火燒やけどをしさうでならなかつた。
巷の子 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
人肌ひとはだにてあたゝむはもつともよし)手足てあしこゞえたるもつよ湯火たうくわにてあたゝむれば、陽気やうきいたれば灼傷やけどのごとくはれ、つひにくさりゆびをおとす、百やくこうなし。これが見たる所をしるして人にしめす。
日本料理の御馳走はお膳の番をしているのだ。熱い吸物すいものを長く置いても冷めないように木のわんへ盛ってある。あれをいきなり飲んだら舌を焦爛やけどするぜ。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「フム、それからどうした?」私も何だか古い焼疵やけどを触られるような心持がして、少し呼吸いきが詰るようになった。
雪の日 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
尤も美しく見えるのは左半面だけで、右半面は大焼痕やけどで引っ釣りだらけの上、眼まで潰れて居りますから、此方の側からはとても二た眼とは見られません。
その時の名殘りの燒傷やけどの痕が殘つてゐて、右足の指が五本とも一つにくつついてのつぺりしてゐた。
(旧字旧仮名) / 島木健作(著)