“こしゅ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
故主17.6%
鼓手17.6%
固守11.8%
壺酒11.8%
古主5.9%
古酒5.9%
孤主5.9%
戸主5.9%
胡主5.9%
胡鬚5.9%
虎鬚5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高松半之丞というのは、帯刀から云えば、亡友ぼうゆう高松半左衛門の遺児で、同じ旗の本に集っていた若侍、また岡引虎松から云えば、世話になった故主こしゅ半左衛門ののこした只一人の若様だった。
くろがね天狗 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そういって、堂々と、鼓手こしゅをして、鼓を鳴らさせ、あたかも、もう占領軍の入城のように、豊田へ迫った。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父は気の毒にも丹念たんねんに死と云うものを説明し出した。が、父の説明も少年の論理を固守こしゅする彼には少しも満足を与えなかった。なるほど彼に殺された蟻の走らないことだけは確かである。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「この陣中にも、何もなくなって来たが、壺酒こしゅ乏しければ風趣ふうしゅを酌むじゃ。久しぶり水入らずで——」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
商人の仲間入を致しては何うもわし古主こしゅへ帰参の妨げになりまする、今にもお召返しになれば鞍置馬くらおきうままたがり、槍を立って歩く身のうえ、しかるに食い方に困って十夜や祭の縁日なぞに出て
古酒こしゅのつぼがならべられてあり、うつくしいおんなは、はなのように御殿ごてんにいておうさまのお相手あいてをして、ことや、ふえや、たえなるものほがらかなうたこえは、よるとなくひるとなく、雲間くもまれたのであります。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
死後、玄徳がまだ生きておられたら如何いかが? 孤主こしゅにそむき、桃園とうえんのちかいを破ることに相なろう。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
祖父母は母屋を仕切って裏の方に隠居いんきょし、母から三番目の叔母は二里ばかり離れた町の商家にかたづき、小さい叔父は出家し、大きい叔父——私たちを迎えに来てくれた——が後をいで戸主こしゅとなり
たまたま陣頭に姿を現わした単于ぜんうとその親衛隊とに向かって、一時に連弩れんどを発して乱射したとき、単于の白馬は前脚を高くあげて棒立ちとなり、青袍せいほうをまとった胡主こしゅはたちまち地上に投出された。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
黄蘗ツイニ近前シ、師ニ一掌ヲアタウ。師、手ヲウッテ笑ッテイウ。マサニ謂エリ、胡鬚こしゅ赤シト。更ニ赤鬚ノ胡アリト。
野狐 (新字新仮名) / 田中英光(著)
虎頭ことうはか虎鬚こしゅを編む。固より禍を受くるを知る。言此に止まる。伏して乞う之をかんがみよ。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)