-
トップ
>
-
おとゝ
己れは
何うもお
前さんの
事が
他人のやうに
思はれぬは
何ういふものであらう、お
京さんお
前は
弟といふを
持つた
事は
無いのかと
問はれて
かくて
后弟別家する時家の物二ツに
分ちて弟に
与んと母のいひしに、弟は
家財を
望ず光る石を
持去んといふ。
他に身請する人ありと
僞りて五十兩の金を
騙り
取種々の
惡計を
働し其
根元を
尋るに國は三
州藤川の
近在岩井村の百姓に
作十と云者あり夫婦の
中に子供兩人有て
兄を作藏
舍弟を
せな
聊か有ても調法なは金なり心が
濟ずば其金にて
妹お富へ何なりと江戸
土産など
買て行れよ然すれば我が請たも同樣
必ず/\
心配しやるなと手にだも取ず
押戻し
肉身分たる
舍弟十兵衞を
送り
舍弟十兵衞を
芝札の
辻にて
殺害し同人の娘を賣りし身の
代金五十兩を奪ひ
取其妻を三次と云る
同氣相求むる
惡漢に
委ね淺草の
中田圃にて殺害させ其上伊勢屋五兵衞の
養子千太郎に
小夜衣を