“いろり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
囲炉裏54.7%
囲炉裡22.6%
9.4%
地炉5.7%
囲炉0.9%
囲爐裏0.9%
囲爐裡0.9%
圍爐裏0.9%
地爐0.9%
居炉裏0.9%
(他:2)2.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし暗くって湿しめッぽい空気が障子しょうじの紙をして、一面に囲炉裏いろり周囲まわりおそって来た。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それから昨夜ゆうべ囲炉裏いろりそばでさんざん馬鹿にされた事を思い出して、あの有様を二人に見せたらばと考えた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
中は入口近くに三尺四方ほどの囲炉裡いろりがあって、古莚ふるむしろを敷いたところはかぎの一畳半ほどもない。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
五軒目には人が住んでいたがうごめく人影の間に囲炉裡いろり根粗朶ねそだがちょろちょろと燃えるのが見えるだけだった。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
いろり附近まわりに四人の男女が控えてた。男は怪量を上座じょうざしょうじてから四人をり返った。
轆轤首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そうした彼の寂しい心は、いろりに火の燃える人の世の侘しさ、古さ、なつかしさ、暖かさ、楽しさを、慈母の懐袍ふところのように恋い慕った。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
そして、地炉いろりの火の前で母の噂をしていたが、どうも帰って来そうな模様が無ので、総領むすめは二人の年下の弟妹に、
白い花赤い茎 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そして、戸外そとへ走りでようとして起きながら見ると、もう何もいずに灰をかけてあった地炉いろりの火がかすかに光っていた。
妖怪記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
七輪へかけるならすべらないように木の枠を七輪の方へめればよし、火鉢へでも囲炉いろりへでも好き自由にかかりますからかえって自分で造らせた方が大小長短自在なものが出来ます」玉江嬢「テンピには中段があってブリキ皿を二重に入れられますが今まで先生は一度も二重の皿をお使つかいになった事がありませんね」お登和嬢「さようです、中段に鉄架てっきゅうのようなものがあって上下へブリキ皿の載るようになっていますが一度に二色の品を入れて焼くのは無理です。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
小使室には大きな囲爐裏いろりに火がかっかっと起こって、自在鍵じざいかぎにつるした鉄瓶てつびんはつねに煮えくりかえっていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
俎板まないたの上でコケを取って、金串かなぐしにそれをさして、囲爐裏いろりに火を起こして焼いた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
すると、こつそり起きて、圍爐裏いろりに薪を添へ、パチパチと音して勢ひよく燃える炎に老の顏を照らされながら、一つしか無い目に涙を湛へて、六十年の來し方を胸に繰返す。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
その怪しい女の姿は翌朝また地爐いろりの傍に見えた。
四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あと女では、原信子(歌うたい)、男で日夏耿之介氏、居炉裏いろり、何だか仏壇みたいに見える傍の机。
これで大和も、河内との境ぢやで、もう魂ごひのぎやうもすんだ。今時分は、郎女さまのからだは、いろりの中で魂をとり返してぴち/\して居られるぞ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
チャーミングさんは、すらりとした長身をゆったりと椅子の中にのばし、沈鬱メランコリックな眼ざしで静かに煖炉いろりの火を見つめている。