駆上かけあが)” の例文
旧字:驅上
フツフウ、ユウユウと云ふ流行唄はやりうたの二つの間投詞を取つて名づけた二匹の小犬が居て食卓の下で我我われわれの足に突当りながらうろうろする。膝へ駆上かけあがつても来る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
黒雲くろくもかついだごとく、うし上口あがりくちれたのをあふいで、うへだんうへだんと、両手りやうてさきけながら、あはたゞしく駆上かけあがつた。……つきくらかつた、矢間やざまそともり下闇したやみこけちてた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
がちがち震えながら、傍目わきめらず、坊主が立ったと思う処は爪立足つまだちあしをして、それから、お前、前の峰を引掻ひっかくように駆上かけあがって、……ましぐらにまた摺落ずりおちて、見霽みはらしへ出ると、どうだ。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雪枝ゆきえ一文字いちもんじまへ突切つゝきつて、階子段はしごだん駆上かけあがざまに、女中ぢよちゆう摺違すれちがつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
コトコトとはしを鳴らし、短夜みじかよの明けた広縁には、ぞろぞろおびただしい、かば色の黒いのと、松虫鈴虫のようなのが、うようよして、ざっと障子へ駆上かけあがって消えましたが、西瓜のたねったんですって。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、ばた/\と廊下らうかを、ぐに二階にかい駆上かけあがつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)