“摺落”の読み方と例文
読み方割合
ずりお100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ずるずるずると、可心は川の方へ摺落ずりおちて、丘の中途で留まった。この分なら、川へ落ちたって水を飲むまでで生命いのちには別条はないのに。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうも並んでいる番頭の座が急に高くなって、番頭そのものが余の方に摺落ずりおちて来そうになったり、またはあべこべに、余が番頭のシャッポの上にころび落ちそうになるのは心好こころよくないものである。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
がちがち震えながら、傍目わきめらず、坊主が立ったと思う処は爪立足つまだちあしをして、それから、お前、前の峰を引掻ひっかくように駆上かけあがって、……ましぐらにまた摺落ずりおちて、見霽みはらしへ出ると、どうだ。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)