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飯焚
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めしたき
ふりがな文庫
“
飯焚
(
めしたき
)” の例文
実際、中村、鈴田、小山田とだんだん同宿の者が減ってきては、
飯焚
(
めしたき
)
の男を除けば、もう小平太のほかに留守をするものもなかった。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
驚き何者の
所爲
(
しわざ
)
なるかと見返へれば是
則
(
すなは
)
ち
別人
(
べつじん
)
ならず彼の
飯焚
(
めしたき
)
の宅兵衞なれば吾助は大いに怒り
汝
(
おのれ
)
如何なれば掛る
振舞
(
ふるまひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
帰りに下女部屋を
覗
(
のぞ
)
いて見ると、
飯焚
(
めしたき
)
が
出入
(
でいり
)
の車夫と
火鉢
(
ひばち
)
を
挟
(
はさ
)
んでひそひそ何か話していた。千代子にはそれが宵子の不幸を細かに語っているらしく思われた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其處に彼は、よぼよぼした
飯焚
(
めしたき
)
の婆さんと
兩人
(
ふたり
)
きりで、淋しいとも氣味が惡いとも思はずに住ツてゐる。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
自分ばかりが
博識
(
ものしり
)
がるものなり、
菊塢
(
きくう
)
は
奥州
(
おうしう
)
よりボツト出て、
堺町
(
さかひてう
)
の
芝居茶屋
(
しばゐぢやや
)
和泉屋
(
いづみや
)
勘
(
かん
)
十
郎
(
らう
)
方
(
かた
)
の
飯焚
(
めしたき
)
となり、
気転
(
きてん
)
が
利
(
き
)
くより店の
若衆
(
わかいしゆ
)
となり、
客先
(
きやくさき
)
の
番附
(
ばんづけ
)
配
(
くば
)
りにも
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
▼ もっと見る
「うんにゃ、俺らのほかには
飯焚
(
めしたき
)
が一人、そのほかによそから来ている人はいねえ」
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
飯焚
(
めしたき
)
なんぞをするより、酌でもしてくれれば、嫁入支度位は直ぐ出来るようにして遣ると、兄が勧めたので、暫く博多に行っていたが、そこへ来る客というのが、皆マドロスばかりで
独身
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
庭へは時々近辺の子供が鬼ごっこをしながら乱入して来ては
飯焚
(
めしたき
)
の婆さんに叱られている。多く小さい男の子であるが、中にいつも十五、六の、赤ん坊を背負った女の子が交じっている。
雪ちゃん
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
長「いゝえ、お母は
私
(
わたくし
)
が十七の時死にました、あれは
飯焚
(
めしたき
)
の雇い婆さんです」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
総じて世の中は与ふる者
威張
(
いば
)
り与へらるる者下るの定則と見えてさすがの兵卒殿も船の中に居て船の飯を喰ふ間は炊事場の男どもの機嫌を取る故にや
飯焚
(
めしたき
)
の威張る
面
(
つら
)
の憎さ
実
(
げ
)
にも浮世は現金なり。
従軍紀事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「あの教師あ、うちの旦那の名を知らないのかね」と
飯焚
(
めしたき
)
が云う。「知らねえ事があるもんか、この
界隈
(
かいわい
)
で金田さんの御屋敷を知らなけりゃ眼も耳もねえ
片輪
(
かたわ
)
だあな」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ぞ待にける爰に
飯焚
(
めしたき
)
の宅兵衞と云は
桝屋
(
ますや
)
久藏が
豐前
(
ぶぜん
)
小倉に居る時よりの飯焚にて
生得
(
しやうとく
)
愚鈍
(
ぐどん
)
なる上最も
吝
(
しは
)
く一文の錢も只は
遣
(
つか
)
はず二文にして遣はんと思ふ程の男なれども
至極
(
しごく
)
の女好にて年は五十を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
飯焚
(
めしたき
)
は下女部屋に引き下がっている。須永と女とは今差向いで何か
私語
(
ささや
)
いている。——はたしてそうだとするといつものように
格子戸
(
こうしど
)
をがらりと開けて頼むと大きな声を出すのも変なものである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
するのみなり時に半四郎は
大音
(
だいおん
)
上
(
あげ
)
盜人
(
どろばう
)
が
這入
(
はひり
)
しぞや家内の者共
起給
(
おきたま
)
へ/\と
呼
(
よばは
)
るにぞ夫れと云つゝ亭主は
勿論
(
もちろん
)
飯焚
(
めしたき
)
下男迄一同に騷ぎ
立
(
たち
)
盜人は
何處
(
いづく
)
へ這入しと六尺棒或ひは
麺棒
(
めんぼう
)
又は
箒
(
はゝき
)
摺子木
(
すりこぎ
)
など得物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
飯
常用漢字
小4
部首:⾷
12画
焚
漢検準1級
部首:⽕
12画
“飯焚”で始まる語句
飯焚場
飯焚女
飯焚男
飯焚釜