トップ
>
鞠子
>
まりこ
ふりがな文庫
“
鞠子
(
まりこ
)” の例文
やがて江戸の
街
(
まち
)
も花に埋もれやうといふ三月の中旬、廣重の
鞠子
(
まりこ
)
の繪を見るやうに、空までが桃色に
燻
(
くん
)
じたある日のことでした。
銭形平次捕物控:197 罠に落ちた女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
他にも招待があつたとかで、珍らしく醉つてゐる勢ひで、遠藤が若い藝者どもをからかふのにつれて、
鞠子
(
まりこ
)
といふ一人を捕へ
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
風はそのまま
留
(
や
)
んでいる。広い河原に
霞
(
かすみ
)
が流れた。渡れば
鞠子
(
まりこ
)
の
宿
(
しゅく
)
と聞く……梅、
若菜
(
わかな
)
の句にも聞える。少し渡って見よう。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鞠子
(
まりこ
)
の
宿
(
しゅく
)
もさっさと
素通
(
すどお
)
りをして上へ上へとのぼって行くのでしたが、ちょうど、鞠子の宿の池田屋源八という休み茶屋の前を通りかかると
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その梅や若菜の時分に東海道を旅して
鞠子
(
まりこ
)
の宿について、そこのとろろ汁を食べもするであろう、と乙州の旅行を思うて挨拶を贈ったのが発句。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
一人は黒川博士のお嬢さん
鞠子
(
まりこ
)
さん、もう一人は
先
(
さ
)
っきから話題に上っていたミディアムの龍ちゃんだ。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
餉台
(
ちやぶだい
)
のうへに煮立つてゐる牛肉で御飯を食べてゐることもあつたし、子供部屋で妹の
鞠子
(
まりこ
)
の着物に縫ひあげをしてもらつて、着せられてゐるのを見たこともあつた。
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
見て安五郎はアヽ若コレ御内儀
粗忽
(
そそう
)
な事を申されな小松屋の遊女
白妙
(
しらたへ
)
を連て
立退
(
たちのき
)
しは此安五郎に
違
(
ちが
)
ひなけれど然ながら其節我は
鞠子
(
まりこ
)
の
柴屋寺
(
しばやでら
)
へ先に參りて
白妙
(
しろたへ
)
の來るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「オイッ!
鞠子
(
まりこ
)
までいくらでまいるっ? なに、
府中
(
ふちゅう
)
より鞠子へ一里半四十七文とな?」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と呼ぶ子供を見つけて、高瀬は自分の家の前の垣根のあたりで
鞠子
(
まりこ
)
と一緒に成った。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
こうして二人は、
鞠子
(
まりこ
)
の
本宿
(
ほんじゅく
)
から
二軒家
(
にけんや
)
、
立場
(
たてば
)
へは休まずに
宇都谷峠
(
うつのやとうげ
)
の上りにかかりました。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
籠
(
こめ
)
し櫻山
巡
(
めぐ
)
る
麓
(
ふもと
)
に風
薫
(
かほ
)
る時は
卯月
(
うづき
)
の末の空花の
藤枝
(
ふぢえだ
)
はや過て岡部に續く
宇都
(
うつ
)
の山
蔦
(
つた
)
の細道
十團子
(
とほだんご
)
夢か
現
(
うつゝ
)
にも人にも
遇
(
あは
)
ぬ宇都の谷と彼の
能因
(
のういん
)
が昔を今に
振
(
ふり
)
も變らぬ梅若葉
鞠子
(
まりこ
)
の宿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
鞠子
(
まりこ
)
は霞む
長橋
(
ながばし
)
の阿部川の橋の板を、あっちこっち、ちらちらと
陽炎
(
かげろう
)
が遊んでいる。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今もあの映画を写しつづければ、きっと僕とお姉さまだけでなくて、お父さまも、
鞠子
(
まりこ
)
も、大写しの顔が出るたびに、同じ事が起こったに違いないんだ。僕はちゃんとそれを知っていたんだ。
暗黒星
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そんな
比羅絵
(
びらえ
)
を、のしかかって描いているのが、嬉しくて、面白くって、絵具を解き
溜
(
た
)
めた
大摺鉢
(
おおすりばち
)
へ、
鞠子
(
まりこ
)
の
宿
(
しゅく
)
じゃないけれど、
薯蕷汁
(
とろろ
)
となって溶込むように……学校の
帰途
(
かえり
)
にはその軒下へ
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
假
(
かり
)
の隱れ
簑
(
みの
)
頭巾
(
づきん
)
の上に
網代笠
(
あじろがさ
)
深
(
ふか
)
くも忍ぶ大門口
相※
(
あひづ
)
の
咳
(
せき
)
に重五郎其所へ御座るは
花魁
(
おいらん
)
かと言れて白妙
回顧
(
ふりむき
)
オヽ重さんか安さんはへ其安さんは
最
(
もう
)
疾
(
とく
)
に
鞠子
(
まりこ
)
へ行て待てゞ在ば
暫時
(
ちつと
)
も早くと
打連立
(
うちつれだち
)
彌勒
(
みろく
)
町を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お伊勢様へお
賽銭
(
さいせん
)
を上げるからと言いおる故、起き出でてその銭をかついで行くと、たしか
鞠子
(
まりこ
)
の入口かと思った、普請小屋へはいりしが、おれもつづいて入りしが、三十人ばかり車座になりおって
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“鞠子(
鞠子宿
)”の解説
鞠子宿(まりこしゅく、まりこじゅく)は、東海道五十三次の20番目の宿場である。丸子宿とも書く。現在の静岡県静岡市駿河区丸子で、最寄り駅は東海道線安倍川駅。
(出典:Wikipedia)
鞠
漢検準1級
部首:⾰
17画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“鞠子”で始まる語句
鞠子宿
鞠子辺