霜燒しもや)” の例文
新字:霜焼
まどから半身はんしんしてゐたれいむすめが、あの霜燒しもやけのをつとのばして、いきほひよく左右さいうつたとおもふと、たちまこころをどらすばかりあたたかいろまつてゐる蜜柑みかんおよいつむつ
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかもあかじみた萌黄色もえぎいろ毛絲けいと襟卷えりまきがだらりとさがつたひざうへには、おほきな風呂敷包ふろしきづつみがあつた。そのまたつつみをいた霜燒しもやけのなかには、三とう赤切符あかぎつぷ大事だいじさうにしつかりにぎられてゐた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
だからわたくしはらそこ依然いぜんとしてけはしい感情かんじやうたくはへながら、あの霜燒しもやけの硝子戸ガラスどもたげようとして惡戰苦鬪あくせんくとうする容子ようすを、まるでそれが永久えいきう成功せいこうしないことでもいのるやうな冷酷れいこくながめてゐた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)