はい)” の例文
あまつさよひじようじて、三人さんにんおの/\、うち三婦人さんふじんざうゆびさし、勝手かつて撰取よりどりに、おのれにはいして、むねで、うでし、みゝく。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あるひは言ふ水中にあつて卒中症を発したるならんと。時に年四十ゆう三なり。そのはい中村氏は南畆先生が外姑がいこ後裔こうえいなり。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
周将仕は再び府庁に往ってそのことを云ったので、許宣は許されることになったが、許宣を置く地方が悪いということになって、鎮江ちんこうの方へはいを改められた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
右翼に酒井忠次ただつぐと織田の援軍との混合隊をはいし、左翼に石川いしかわ、小笠原、松平、本多の軍を置き、そのうしろぞなえにみずから本陣を張って鶴翼かくよくのかまえをとった。
死処 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
また按摩舞あまのまいの按摩は Amma すなわち母の義で、シヴァ神のはいドゥルガを意味し、按摩舞はシヴァとドゥルガとが宴飲して酔歓をつくすさまを現わすのだそうであるが
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
彼女は花びらを一つずつ用い草の葉や、草の実をたくみに点景てんけいした。ときにはおびのあいだにはさんでいる小さい巾着きんちゃくから、砂粒すなつぶほどの南京玉なんきんだまを出しそれを花びらのあいだにはいした。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)
治むる君のはいとして、女神すべての長なりと 365
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
國沴こくてんおほいわらつて、馬鹿ばかめ、おどかしたまでだと。これをゆるし、還俗げんぞくせしめて、柳含春りうがんしゆんはいせりとふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
病ニ罹リテタズ。実ニ癸丑六月十日也。享年五十六。牛籠うしごめノ常敬寺ニ葬ル。はい田中氏善クミ子ナシ。翁ハ躯貌くぼう肥大、風神脱灑だっさい。而シテ人ト交ルヤ胸ニ柴棘さいきょくナシ。烏山侯ノ愛重スル所ト為ル。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
光明后をはいとする聖武帝にすら他に夫人があった。女はそれに慣らされていたかも知れぬ。東国の女が都にある夫を恋うる歌に、大和女の膝を枕にする時にも私を忘れてくれるななどというのもある。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)