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那麽
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あんな
ふりがな文庫
“
那麽
(
あんな
)” の例文
一番
最初
(
しょっぱな
)
に行ったのは「自惚かがみ」君の家であった。先生店に
鯱構
(
しゃちかま
)
えていた。乃公は大人になっても
那麽
(
あんな
)
鬚は
生
(
はや
)
したくないと思った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
感情が粗雜で稚氣があつて、
獨
(
ひとり
)
で感激してると言つた樣な詩なんでさ。新時代の青年が
那麽
(
あんな
)
古いものを崇拜してちや爲樣が無いね。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
否
(
いや
)
悲しいといふよりは癪に障つたよ。何といふのかな、
那麽
(
あんな
)
具合で到頭埋もれて了ふのを。平凡の悲劇とでも言ふのかな……。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
乃公
(
おれ
)
は伯母さんが
那麽
(
あんな
)
に憤るだろうとは思わなかった。伯母さんは火のようになって、
直様
(
すぐさま
)
鞄を抱えて、
階下
(
した
)
へ下りた。そして車屋を呼んで来て下さいと言った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
『君はまだ
那麽
(
あんな
)
声を聞かうとするだけ若い。僕なんかは
其麽
(
そんな
)
暇はない。聞えても成るべく聞かぬ様にしてる。
他
(
ひと
)
の事よりア
此方
(
こつち
)
の事だもの。』
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
誰が好き好んで若い身空を
那麽
(
あんな
)
ところへ
嫁
(
ゆ
)
くものですか。お母さんだって若い時の
記憶
(
おぼえ
)
もありましょうに、
真正
(
ほんとう
)
に少しは私の身になって考えて呉れても
宜
(
よ
)
さそうなものだ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
此反對な二人の莫迦に
親密
(
なかよし
)
なのは、他の娘共から常に怪まれてゐた位で、また半分は嫉妬氣味から、「
那麽
(
あんな
)
阿婆摺
(
あばづれ
)
と一緒にならねえ方が
可
(
え
)
えす。」
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼女の
挙動
(
やうす
)
はまだ男を知つて居ないらしいが、
那麽
(
あんな
)
に若く見える癖に二十二だつていふから、もう男の肌に触れてるかも知れぬ。それも構はんさ。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
那麽
(
あんな
)
小い人も滅多にありませんねえ、
家
(
うち
)
ぢや小供らが、誰が教へたでもないのに三尺さんといふ
綽名
(
あだな
)
をつけましてね。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『森川さんの憎いつたらありやしない。
那麽
(
あんな
)
に亂暴しなくたつて可いのに、到頭「聲きく時」を
裂
(
さ
)
いちまつた……。』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『森川さんの憎いツたらありやしない。
那麽
(
あんな
)
に乱暴しなくたつて
可
(
いい
)
のに、到頭「声きく時」を裂いツ
了
(
ちま
)
つた。……』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お八重は又自分を迎ひに來て呉れた時の新太郎の事を語つて、『
那麽
(
あんな
)
親切な人ア
家
(
え
)
の方にや
無
(
ね
)
えす。』と讃めた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お八重は又、自分を迎ひに来て呉れた時の新太郎の事を語つて『
那麽
(
あんな
)
親切な人ア
家
(
え
)
の方にや
無
(
ね
)
えす。』と讃めた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『ハッハヽヽ。怎うですか知りませんが、
那麽
(
あんな
)
に生れついちやお氣の毒なもんですね。顏だつても綺麗だし、話して見ても色ンな事を知つてますが……。』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
況
(
ま
)
してお定は、
以後先
(
これからさき
)
、怎して
那麽
(
あんな
)
滑かな言葉を習つたもんだらうと、心細くなつて、お吉の顔が自分等の方に向くと、また何か問はれる事と気が気でない。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「先生は
不具者
(
かたは
)
や乞食に惡口を
利
(
き
)
いては
可
(
いけ
)
ないと言つたのに、豐吉は
那麽
(
あんな
)
事をしたのだから、たとひ豐吉が一番で私が二番でも、私より豐吉の方が惡い人だ。」
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
況
(
ま
)
してお定は、これから、
怎
(
どう
)
して
那麽
(
あんな
)
滑
(
なめら
)
かな言葉を習つたもんだらうと、心細くなつて、お吉の顏が自分等の方に向くと、また何か問はれる事と氣が氣でない。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「先生は
不具者
(
かたは
)
や乞食に悪口を利いては不可ないと言つたのに、豊吉は
那麽
(
あんな
)
事をしたのだから、たとひ豊吉が一番で私が二番でも、私より豊吉の方が悪い人だ。」
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「溝の中を歩く人。」と口の中で云つて、私は思はず
微笑
(
につこり
)
した。それに違ひない、アノ洋服の色は、
饐
(
す
)
えた、腐つた、溝の中の汚水の臭気で
那麽
(
あんな
)
に変色したのだ。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それに違ひない、アノ洋服の色は、
饐
(
す
)
えた、腐つた、溝の中の汚水の臭氣で
那麽
(
あんな
)
に變色したのだ。手! アノ節くれ立つた、恐ろしい手も、溝の中を歩いた證據だ。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
垢だらけの胸を
披
(
はだ
)
けて乳をやる母親は、鼻が推潰した樣で、土に染みた髮は異な臭氣を放つて居たが、……噫、淺間しいもんだ
那麽
(
あんな
)
時でも
那麽
(
あんな
)
氣を、と思ふと其
夫
(
をつと
)
の
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
垢だらけの胸を
披
(
はだ
)
けて乳をやる母親は、鼻が
推潰
(
おしつぶ
)
した様で、土に染みた髪は異な臭気を放つて居たが、……噫、浅間しいもんだ、
那麽
(
あんな
)
時でも那麽気を、と思ふと其
夫
(
をつと
)
の
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
末は怎でも今は俺のもんさ、彼女の擧動はまだ男を知つて居ないらしいが、
那麽
(
あんな
)
に若く見える癖に二十二だつていふから、もう男の肌に觸れてるかも知れぬ。それも構はんさ。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『そんなら可いけど、此間も眞佐アちやんの繪具を
那麽
(
あんな
)
にして了うたぢやありませんか』
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そんなら可いけれど、
此間
(
こなひだ
)
も真佐アちやんの絵具を
那麽
(
あんな
)
にして了うたぢやありませんか?
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
馬鹿な、マア
怎
(
どう
)
でも可いさと口に出して呟いたが、
何故
(
なぜ
)
那麽
(
あんな
)
事云つたらうと
再
(
ま
)
た考へる。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
馬鹿な、マア
怎
(
どう
)
でも可いさと口に出して呟いたが、何故
那麽
(
あんな
)
事を云つたらうと
再
(
また
)
考へる。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
那麽
(
あんな
)
男なら、何人
先方
(
あつち
)
で入れても安心だよ。
何日
(
いつ
)
だツたか、其菊池が、記者なり小使なりに使つて呉れツて、俺の所へ來た事があるんだ。可哀相だから入れようと思つたがね。』
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
那麽
(
あんな
)
男なら、何人
先方
(
むかう
)
で入れても安心だよ。
何日
(
いつ
)
だツたか、其菊池が、記者なり小使なりに使つて呉れツて、俺の所へ来た事があるんだ。可哀相だから入れようと思つたがね、』
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『モウ起きなさいよ、十一時が
打
(
ぶ
)
つたから。
那麽
(
あんな
)
に寢てて、貴方何考へてるだべさ。』
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
妙に母を
愍
(
あはれ
)
む様な気持になつて、若し
那麽
(
あんな
)
事を叔父の顔を見る度に言つて、万一叔父が怒る様な事があつたら、母は
奈何
(
どう
)
する積りだらうと、何だか母の思慮の足らないのが歯痒くて
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私の母は、何時でも「
那麽
(
あんな
)
無精な女もないもんだ。」と叔母を悪く言ひながら、それでも猶何に
彼
(
か
)
につけて世話する事を、怠らなかつた。或時は父に
秘
(
かく
)
してまでも
実家
(
さと
)
の窮状を援けた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
此反対な二人の
莫迦
(
ばか
)
に
親密
(
なかよし
)
なのは、他の娘共から常に怪まれてゐた位で、また半分は
嫉妬
(
やきもち
)
気味から、「
那麽
(
あんな
)
阿婆摺
(
あばずれ
)
と一緒にならねえ方が
可
(
え
)
えす。」と、
態々
(
わざわざ
)
お定に忠告する者もあつた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何番のお客さんが昨晩
這麽
(
こんな
)
事を云つたとか、
那麽
(
あんな
)
事をしたとか、誰さんが私の乳を握つたとか、夏になつたら浴衣を買つてやるから毎晩泊りに来いと云つたとか、それは/\
種々
(
いろん
)
な事を喋り立てる。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
喃
(
なあ
)
、君、
那麽
(
あんな
)
豪
(
えら
)
い馬が内地になんか一疋だツて居るもんか。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
喃
(
なあ
)
、君、
那麽
(
あんな
)
豪
(
えら
)
い馬が内地になんか一疋だツて居るもんか。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『島田さん、もう
那麽
(
あんな
)
繪葉書無くつて?』
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『島田さん、もう
那麽
(
あんな
)
絵葉書無くつて?』
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
那
常用漢字
中学
部首:⾢
7画
麽
部首:⿇
14画
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那麽物