追遣おひや)” の例文
浴室ゆどのだ、浴室ゆどのだ。ておいで。と女中ぢよちゆう追遣おひやつて、たふむやうに部屋へやはいつて、廊下らうか背後向うしろむきに、火鉢ひばちつかまつて、ぶる/\とふるへたんです。……老爺おぢいさん。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あてがひてあそびに追遣おひやあとには娘おくま番頭ばんとうちう髮結かみゆひせい三郎ともに入込いりこみ下女のおひさお菊もおつね仕込しこまれ日毎に酒宴しゆえん相手あひてをなしたりしが或日おつねきん出して下男げなん云付いひつけさけさかな
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なせ共皆々聞入れず早々立去べしと追遣おひやるにぞ老人は是非もなく/\なみだはらひすご/\立歸らんとなしける處に此豐島屋の向うを立場たてばとして日ごとに出て居たる駕籠舁かごかきあり今日も此處にて往來の客を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あた講釋かうしやく寄席よせせき追遣おひやあとは忠八おくま清三郎を招き例の如く酒宴さかもりを始め長兵衞が云し事どもを委細ゐさいはなして此上は金子きんす五百兩こしらへ又七にそへ離縁りえんするに如なしすれば長兵衞彼れこれいはれぬすぢなり又七を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)