“身辺(しんぺん)” の例文
旧字:身邊
それは決して其(その)結果によって打算(ださん)的な仕向けをするという卑(いや)しい考えからでは無くて、自分の身辺(しんぺん)を晦(くら)まして置くという手前勝手を許さない事になり
覚悟で『狼(ウルフ)』の身辺(しんぺん)につきまとっている紅子(べにこ)というモダン娘、もう一人は、紅子の密書を拾って逸早(いちはや)く僕のところへ通報して寄越した真弓(まゆみ)という若い女
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そんな気持(きもち)に襲(おそ)われるのは死(し)んでから間(ま)のない、何(なに)も判(わか)らぬ時分(じぶん)のこと、少(すこ)しこちらで修行(しゅぎょう)がつんでまいりますと、自分(じぶん)の身辺(しんぺん)はいつも神様(かみさま)の有難(ありがた)い御力(おちから)に衛(まも)られているような感(かん)じがして
お芳から次郎を遠ざけ、その代りに、恭一と俊三をいつもお芳の身辺(しんぺん)に近づけておくことが、「次郎のため」の願望を自然の流れに棹ざさせる道であったとは、決していえなかったのであろう。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
西瓜だって胡瓜(きゅうり)だって末実りは普通より安価(あんか)であり、ことに時代と身辺(しんぺん)の変化のせいで、風波(ふうは)の中にさすらえて来たのであるため父親の立場からいうと、これに対して責任観(せきにんかん)が深くなるわけである。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
しかしそれには、ロロー殿下の身辺(しんぺん)をまもっている長良川博士やドン助教授などがじゃまになって、かれらの慾望は早急にはとげられない事情にあった。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「すと」「すと」花にたまった雨の澪(しずく)の砂に滴(したた)る音を聴いていると夢まぼろしのように大きな美しい五感交融(こうゆう)の世界がクッションのように浮(うか)んで来て身辺(しんぺん)をとり囲む。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
遭難後、身辺(しんぺん)にしきりにただようその異様な臭気だった。それがひとしきりはげしく風にのってきたのだ。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まあなるたけ主人の気のやすまるよう遠(とお)のいて、身辺(しんぺん)の平和を守るか(この際扶養(ふよう)の責任あらば、それだけは物質だけでも果(はた)すべし)、さもなくば、妻は身をもって円満に尽(つく)し、親
良人教育十四種 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
鬼神(きじん)のような其(そ)の男は、なにもかも知ってしまった。二人の身辺(しんぺん)から、歴然たる証拠も掴(つか)んだのだった。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
春木、牛丸の二少年の身辺(しんぺん)には、依然として平穏(へいおん)な日がつづいた。いずれ落着いたら、便りをよこすといっていた戸倉老人からもどうしたものか音沙汰(おとさた)がなかった。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、そのときは、当惑したものであるが、しかるに只今、彼の身辺(しんぺん)には、二人妻どころか、只の一人も、妻がついていないのであった。彼は、全く変な気がした。……
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは多分色道(しきどう)の飽食者(ほうしょくしゃ)である夫人が僕の変質に興味を持っているのであるか、それとも、ひょっとすると、同志林田の指摘したように僕の身辺(しんぺん)を覘(ねら)う一派の傀儡(かいらい)で、古い手だが
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
弾丸(たま)は、戸倉老人の倒れている身辺(しんぺん)へ、雨のように降りそそいだ。弾丸が地上に達して石にあたると、ぴかぴかッと火花が光り、それが夕暮のうす闇の中に、生き物のようにおどった。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それで次回から、せいぜい気をつけることにして、金博士の身辺(しんぺん)を猟犬(りょうけん)の如く、或いはダニの如く、或いは空気の如く搦(から)みついて、何を博士が実行に移しているかを調べたのであった。
それがすむと、何喰(なにくわ)ぬ顔をして車掌室にかえり、室内の騒ぎを始めて知ったような風を装(よそお)って馳けつける。うん、こいつは出来ないことじゃない。車掌倉内銀次郎の身辺(しんぺん)をすこし洗ってみよう。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だが、何を発見し、どこで発見したのか、それについては一言(いちごん)も触(ふ)れてなかった。そこで仕方なく、あの大将の身辺(しんぺん)から秘密を探しだす必要が生じたのだ。何を発見し、それをどこから発見したか。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
バラバラッと、礫(こいし)のようなものが、身辺(しんぺん)に降って来た。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
身辺(しんぺん)の危険
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)