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赫
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かッ
ふりがな文庫
“
赫
(
かッ
)” の例文
すぐに分った、店口を入る、茶の
室
(
ま
)
と正面の
階子壇
(
はしごだん
)
の下に、炭火の
赫
(
かッ
)
と起った
台十能
(
だいじゅう
)
を片手に、立っていたのがすなわち内儀で。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
君がいわゆる
実家
(
さと
)
の
話柄
(
こと
)
とて、
喋舌
(
しゃべ
)
る杢若の目が光る。と、
黒痘痕
(
くろあばた
)
の
眼
(
まなこ
)
も輝き、天狗、般若、白狐の、
六箇
(
むつ
)
の眼玉も
赫
(
かッ
)
となる。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お道さんが、さんばら髪に肩を振って、身悶えすると、消えかかった松明が
赫
(
かッ
)
と燃えて、あれあれ、女の身の丈に、めらめらと空へ立った。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
出刃を落した時、
赫
(
かッ
)
と顔の色に赤味を帯びて、
真鍮
(
しんちゅう
)
の
鉈豆煙草
(
なたまめぎせる
)
の、
真中
(
まんなか
)
をむずと握って、糸切歯で噛むがごとく、
引啣
(
ひっくわ
)
えて
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と小突いて、
入交
(
いりかわ
)
って、
向
(
むかい
)
の生垣に押つけたが、蒼ざめた
奴
(
やっこ
)
の顔が、
赫
(
かッ
)
と燃えて見えたのは、
咽喉
(
のんど
)
を絞められたものである。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
が、註文通り、火鉢に
湯沸
(
ゆわかし
)
が天上して来た、火も
赫
(
かッ
)
と——この火鉢と湯沸が、前に言った正札つきなる真新しいのである。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と米は
傍
(
かたわら
)
から押隔てると、
敵手
(
あいて
)
はこれなり、倉は
先
(
せん
)
を取られた上に、今のお懸けなさいましで
赫
(
かッ
)
となっている処。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
件
(
くだん
)
の通天門を入ると、
赫
(
かッ
)
と
明
(
あかる
)
く、
不残真紅
(
のこらずまっか
)
。両方から路をせばめて頬がほてるようだが、それは構わん。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
日の
赫
(
かッ
)
と当る時は、
眩
(
まばゆ
)
いばかり、
金剛石
(
ダイヤモンド
)
の
指環
(
ゆびわ
)
から
白光
(
びゃっこう
)
を射出す事さえあるじゃありませんか。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夢がどうした、そんな事は
木片
(
こっぱ
)
でもない。——俺が
汝等
(
うぬら
)
の手で
面
(
つら
)
へ
溝泥
(
どぶどろ
)
を塗られたのは夢じゃないぞ。この
赫
(
かッ
)
と開けた大きな目を見ろい。——よくも
汝
(
うぬ
)
、溝泥を塗りおったな。
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若い男が田舎
気質
(
かたぎ
)
の
赫
(
かッ
)
と
逆上
(
のぼ
)
せた
深嵌
(
ふかはま
)
りで、家も店も
潰
(
つぶ
)
した
果
(
はて
)
が、女房子を四辻へ
打棄
(
うっちゃ
)
って、無理算段の足抜きで、女を東京へ連れて
遁
(
に
)
げると、
旅籠住居
(
はたごずまい
)
の気を換える見物の一夜。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
八畳一杯
赫
(
かッ
)
と陽気で、ちょうどその時分に、中びけの
鉄棒
(
かなぼう
)
が、近くから遠くへ、次第に
幽
(
かす
)
かになって廻ったが、その音の身に染みたは、浦里時代の事であろう。誰の胸へも響かぬ。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
金屏風の
背後
(
うしろ
)
から謹んで座敷へ帰ったが、上段の
室
(
ま
)
の客にはちと不釣合な形に、
脇息
(
きょうそく
)
を横倒しに枕して、ごろんとながくなると、瓶掛の火が、もみじを
焚
(
た
)
いたように
赫
(
かッ
)
と赤く、銀瓶の湯気が
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
赫
漢検準1級
部首:⾚
14画
“赫”を含む語句
赫々
赫耀
目赫
赫灼
赫奕
赫燿
威赫
赫夜姫
赫耶
赫怒
真赫
赫奕姫
赫土
赫光
赫然
赫映姫
赫耶姫
恐赫
赫爾洪得
赫熱
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