とき)” の例文
ゆえに「グロチュス」判然ときいわく、宗教の益は原来げんらい上帝の恩徳を講解するにもっぱらなりといえども、人間の交際においてもまたその功力はなはだ大なりと。
長いあいだ家へ寄つきもしない壮太郎の代りに、家に居坐らせるため、植源を出て来て、父の手助に働かせられていたお島は、兄にときつけられて、その時ふいと旅に出る気になったのであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
かへ其後そのご平右衞門へいゑもん口入くちいれにて相方さうはう相談さうだん調とゝの吉日きちにちえらみて五百りやう持參金ぢさんきんをなし又七を彼の白子屋しろこや聟養子むこやうしとぞなしたりけり此事はもとよりお熊の不承知ふしようちなるを種々いろ/\ときすゝあとかくまづ當分たうぶんその五百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
髭先ひげさきのはねあがりたる当世才子、高慢の鼻をつまみ眼鏡めがねゆゝしく、父母干渉の弊害をときまくりて御異見の口に封蝋ふうろう付玉つけたまいしを一日粗造のブランディに腸加答児カタル起して閉口頓首とんしゅの折柄、昔風の思い付
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
うしなもとゐなるべきにより内濟ないさいにし給へと種々さま/″\ときすゝめると雖もお常は一かう承知せずかへつて長兵衞迄も散々さん/″\のゝしりける故長兵衞も今は是非ぜひなく打捨うちすてければつひに彌太郎の方より訴訟にこそ及びけれされば大岡殿是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)