みる)” の例文
人樣に辛抱人しんばうにんほめたのが今となりては面目めんぼくない二階へなりときくされつらみるのも忌々いま/\しいと口では言ど心では何か容子ようすの有事やと手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
花袋かたい先生が近頃『女子文壇』で「女というものは男子からみると到底疑問である」と言われたのは御説おせつとおりであろうと存じますが
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
青い空がだんだん出て、黄色な雲が開いて、淋しい海をみるように冬の夕暮は晴れていた。けれど西風は身を切るように寒かった。
凍える女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
窠宿の方へ走りゆけば、狐はかくとみるよりも、周章狼狽あわてふためき逃げ行くを、なほのがさじと追駆おっかけて、表門をいでんとする時、一声おうたけりつつ、横間よこあいよりとんで掛るものあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
針ほども心に面白き所あらば命さえくれてやる珠運も、何の操なきおのれに未練残すべき、その生白なましらけたる素首そっくびみるけがらわしと身動きあらく後向うしろむきになれば、よゝと泣声して
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
僕があなたの所から帰る度に、皆がどんな顔をして僕をみると思ひます。どいつもこいつも僕を疑つて、僕の困るのを嬉しがつてゐるのです。僕だつてもう子供ではありません。
駆落 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
なしていきどほれ共如何とも詮方せんかたなければやがて懷中を改めみるに是は如何に五百兩のかねは無くさて盜賊たうぞく所業しわざならんと近傍あたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
してみるとやはり、此処も廃井ではあるまいか? いや其様筈がない。烟突から黒烟が上っている。彼様あんなさかんに火が燃えている。彼様に機械が運転している。人のいない筈がない。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かけければ天一坊は常樂院を見るにはやくつを脱たりまた後を振返り伊賀亮左京をもみるに何も履物はきものを穿ざれば天一坊も沓をぬぎ捨ける夫より案内に從ひ行き遙か向を見れば一段高きとこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よくみると、アヘンだ。
老婆 (新字新仮名) / 小川未明(著)