トップ
>
褄
>
づま
ふりがな文庫
“
褄
(
づま
)” の例文
血の気のない顔、少し振り乱した髪、昼のままらしい
袷
(
あわせ
)
の前
褄
(
づま
)
が乱れて、恐怖と激動に早鐘を撞く胸を細々と掻い抱くのでした。
銭形平次捕物控:227 怪盗系図
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
左の手で小
褄
(
づま
)
を取り上げたが、赤い物を
纒
(
まと
)
った白い脛が、裾からあらわに現われるを、恥ずかしく思わなければ気にも掛けないで、鈴江は一散に走り出した。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何とも、かとも、おいたわしいことに——
裾
(
すそ
)
をつつもうといたします、乱れ
褄
(
づま
)
の
友染
(
ゆうぜん
)
が、色をそのままに岩に凍りついて、霜の秋草に
触
(
さわ
)
るようだったのでございます。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
素人
(
しろうと
)
にして捨てて置くは惜しい物の中に加へぬ、さりとてお寺の娘に
左
(
ひだ
)
り
褄
(
づま
)
、お
釈迦
(
しやか
)
が
三味
(
しやみ
)
ひく世は知らず人の聞え少しは
憚
(
はば
)
かられて、
田町
(
たまち
)
の通りに葉茶屋の店を奇麗にしつらへ
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
素人
(
しろうと
)
にして
捨
(
す
)
てゝ
置
(
お
)
くは
惜
(
を
)
しい
物
(
もの
)
の
中
(
なか
)
に
加
(
くわ
)
へぬ、さりとてお
寺
(
てら
)
の
娘
(
むすめ
)
に
左
(
ひだ
)
り
褄
(
づま
)
、お
釋迦
(
しやか
)
が
三味
(
しやみ
)
ひく
世
(
よ
)
は
知
(
し
)
らず
人
(
ひと
)
の
聞
(
きこ
)
え
少
(
すこ
)
しは
憚
(
はゞ
)
かられて、
田町
(
たまち
)
の
通
(
とほ
)
りに
葉茶屋
(
はぢやゝ
)
の
店
(
みせ
)
を
奇麗
(
きれい
)
にしつらへ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
薄
(
うっす
)
り路へ
被
(
かか
)
った水を踏んで、その
濡色
(
ぬれいろ
)
へ
真白
(
まっしろ
)
に映って、
蹴出
(
けだ
)
し
褄
(
づま
)
の
搦
(
から
)
んだのが、私と並んで立った姿——そっくりいつも見る、座敷の額の
画
(
え
)
に覚えのあるような有様だった——はてな
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あわてて髮を撫でたり、前
褄
(
づま
)
をかき合せたりするのです。
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
くくり枕の
傍
(
かたわら
)
には、盆の上に薬の瓶、左の隅に
衣桁
(
いこう
)
があって、ここに博多の男帯、黒
縮緬
(
ちりめん
)
の女羽織、金茶色の
肩掛
(
ショオル
)
など、中にも江戸
褄
(
づま
)
の二枚小袖、藤色に
裳
(
もすそ
)
を
曳
(
ひ
)
いて、
襲
(
かさ
)
ねたままの
脇開
(
わきあけ
)
を
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
褄
漢検1級
部首:⾐
13画
“褄”を含む語句
褄端折
片褄
前褄
袖褄
目褄
褄折笠
辻褄
小褄
左褄
褄先
気褄
褄捌
後褄
江戸褄
褄前
褄楊枝
蹴出褄
高褄
機嫌気褄
両褄
...