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萍
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うきくさ
ふりがな文庫
“
萍
(
うきくさ
)” の例文
想へば、
那
(
か
)
の
氣高
(
けだか
)
き
﨟
(
らふ
)
たけたる横笛を
萍
(
うきくさ
)
の浮きたる
艷女
(
たをやめ
)
とは
僻
(
ひが
)
める我が心の誤ならんも知れず。さなり、我が心の誤ならんも知れず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
真っ青な
萍
(
うきくさ
)
が一杯伸びて、音立ててその上を吹き渡っていく真昼の風があった。その池のへりにポカンと圓太郎が佇んでいた。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
何しろ江戸表は
覆
(
くつがえ
)
りそうな
騒擾
(
そうじょう
)
だったらしいが——そんな噂を途中で聞いても、
萍
(
うきくさ
)
ぐらしの権十にとっては、
陸
(
おか
)
の地震のようにしか考えられなかった。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、見かけほど悲劇的な性格もなく、どこかのん気で
愚
(
おろか
)
なところがあつて、情操的にものを突き詰めては考へられなく、
萍
(
うきくさ
)
の浮いたところがあつた。
過去世
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
私情をして大法の外に
縦
(
ほしいまゝ
)
なる運行をなさしむることあるなし。私情の喜は故なきの喜なり、私情の悲は故なきの悲なり、彼の大琴に相渉るところなければ、根なき
萍
(
うきくさ
)
の海に漂ふが如きのみ。
万物の声と詩人
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
驚駭
(
おどろき
)
のあまり
青年
(
わかもの
)
は、
殆
(
ほとん
)
ど
無意識
(
むいしき
)
に、
小脇
(
こわき
)
に
抱
(
いだ
)
いた、
其
(
そ
)
の
一襲
(
ひとかさ
)
ねの
色衣
(
いろぎぬ
)
を、
船
(
ふね
)
の
火
(
ひ
)
に
向
(
むか
)
つて
颯
(
さつ
)
と
投
(
な
)
げる、と
水
(
みづ
)
へは
落
(
お
)
ちたが、
其処
(
そこ
)
には
届
(
とゞ
)
かず、
朱
(
しゆ
)
を
流
(
なが
)
したやうに
火
(
ひ
)
の
影
(
かげ
)
を
宿
(
やど
)
す
萍
(
うきくさ
)
に
漂
(
たゞよ
)
ふて、
袖
(
そで
)
を
煽
(
あふ
)
り
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
萍
(
うきくさ
)
に膏雨底なく湛へけり
普羅句集
(新字旧仮名)
/
前田普羅
(著)
只遊ぶ
萍
(
うきくさ
)
も経る月日かな
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
萍
(
うきくさ
)
を吹き集めてや
花筵
(
はなむしろ
)
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
晩涼
(
ばんりょう
)
に池の
萍
(
うきくさ
)
皆動く
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
「
那珂郡
(
なかごおり
)
のさる所に、仮に妻子と家人共は置いております。——が、自分は京都とこの地方を往来しているので……まあ、
萍
(
うきくさ
)
のような境遇ですな。はははは」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蝶子さんを見ると、流れに任せてなよ/\と、どこの岸にでも漂い寄って咲ける
萍
(
うきくさ
)
の花の自然の美しさを感じずにはいられない。弱いものゝ持つ
勁
(
つよ
)
みを感じられずにはいられない
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
路傍
(
みちのべ
)
の柳は折る人の心に
任
(
まか
)
せ、
野路
(
のぢ
)
の花は摘む
主
(
ぬし
)
常ならず、數多き女房曹司の中に、いはば
萍
(
うきくさ
)
の浮世の風に任する一女子の身、今日は何れの汀に留まりて、
明日
(
あす
)
は何處の岸に吹かれやせん。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
萍
(
うきくさ
)
を吹き集めてや
花筵
(
はなむしろ
)
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
だが、江口の草笛は、水辺の
萍
(
うきくさ
)
に似て、もう、とうにそこにはいなかった。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
萍
漢検1級
部首:⾋
11画
“萍”を含む語句
浮萍
雲萍雑志
末松青萍
磯萍水
緑萍
萍子
萍水
萍郷
雲萍
雲萍雑誌
雲遊萍寄