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のうり
アナスチグマツト——さういふ
寫眞用語がいかに
歴亂として
私の
腦裡を
動き、いかに
胸躍るやうな
空想を
描かせ、いかに儚ない
慰樂を
與へたことか?
今この
岩窟を
説明するに、
最も
解し
易からしめるには、
諸君の
腦裡に、
洋式の
犬小屋を
畫いて
貰ふのが一
番だ。
さては
先日反古の
新聞に
記されてあつた
櫻木海軍大佐と
其帆走船との
行衞などが
恰も
今夜の
此物凄い
景色と
何等かの
因縁を
有するかのごとく、ありありと
私の
腦裡に
浮んで
來た。
火山に
關する
迷信がこのように
國民の
腦裡を
支配してゐる
間、
學問が
全く
進歩しなかつたのは
當然である。
昔の
雷公が
今日我々の
忠實な
使役をなすのに、
火山の
神のみ
頑固におはすべきはずがない。
寢床にはひつても
盤面が
腦裡に
浮んで來て口
惜しさに
眠れぬ
思ひのする事しばしばだが