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のゝ
割つても言はせて見せんと
大音に
罵しり又もや
拷問に
懸んとす然るに傳吉は
最早覺悟の事なれば
疲れたる聲を
同時に、さう
云ふ
譯なら、
自分が
直に
宗助から
相當の
値で
讓つて
貰へば
可かつたに、
惜しい
事をしたと
云つた。
最後に
横町の
道具屋をひどく
罵しつて、
怪しからん
奴だと
云つた。
忘れたかと
誠しやかに
罵しればお富は
惘れて涙も出ず
暫時默して居る
容子に大岡殿は長庵が
言掛なりと思はるれど
態と
詞を
弛められ
双方無證據の
爭ひなれば猶吟味を
遂んと申されるを
捕へしやと
飛ぶ如くに
馳戻り
群がる中へ切入ど彼方は名に
負荒くれども手に/\
息杖棒ちぎり打合ふ折から又四五人
堤の
蔭より
顯れ
出疊んで仕舞へと
罵しり前後左右を追取卷打込棒は雨より
繁く多勢を