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經
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たつ
半年ばかり
經と
何者とも知れず、
墓を
發いて石を
盜み
去たものがある。子は
手掛がないので
追ふことも出來ず其まゝにして二三日
經た。
深く感じ再度勸むる言葉もなく其意に
任せて打過けり斯て
光陰の
經程に姑女お八重は是まで
種々辛苦せし
疲れにや持病の
癪に
打臥漸次に病氣差重りしにぞお菊は大いに心を痛め種々
療養に手を
出やうが
早いと
魔劫が
未だ
除れないから
何時かはこれを
持て居るものに
禍するものじや、
一先拙者が
持歸つて三年
經て
後貴君に
差上げることに
仕たいものぢや
料理して
鴈と
僞り食せけるに不思議や條七は五十日
經か
經ぬに
髮も
脱癩病の如く
顏色も變り人
交際も出來ぬやうに成ければお
鐵は仕濟したりと打
悦び條七に打
向ひお前は
入聟の身斯る
業病になりては
先祖へ
濟ず早く實家へ歸り
呉よと
最つれなくも言ければ條七も
詮方なく
前世の業と
斷念るより外なしと女房娘を