“結(いは)” の例文
といつて、長い竹竿に五尺許(ばか)りの青大将のによろ/\したのを結(いは)へつけて、相手の鼻先で揮(ふ)つてみせた。
やむをえず結(いは)ひつけた草履にしたが、このごろのおへんろさんは、大ていは地下足袋ださうである……
にはかへんろ記 (新字旧仮名) / 久保田万太郎(著)
仙人(せんにん)が、あの廣(ひろ)い袖(そで)の中(なか)から、眞紅(まつか)な、粘々(ねば/\)した、艷(つや)のある、蛇(へび)の鱗(うろこ)のやうな編方(あみかた)した、一條(ひとすぢ)の紐(ひも)を出(だ)して絲(いと)ほどにも、身(み)の動(うご)きませんほど、手足(てあし)を其(そ)の大木(たいぼく)に確乎(しつかり)結(いは)へて、綿(わた)の丸(まる)けた球(たま)を
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
驚(おどろ)いたことには、虎(とら)の子(こ)のやうに大切(たいせつ)にしてゐるウェルスの手紙(てがみ)など入(い)れた折鞄(をりかばん)のなかから、黒髪(くろかみ)の一(ひ)と束(たば)と短刀(たんたう)とが、紙(かみ)にくるんで、紐(ひも)で結(いは)へられたまゝ、竹村(たけむら)の前(まへ)に引出(ひきだ)されたことであつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
□最御崎(ほつみさき)寺、またの名を“東寺(ひがしでら)”は、山の上にあつた。木の根、岩角を、攀ぢつゝ、四十五分かけて上つた。杖と、結(いは)ひつけた草履とが、どんなに役に立つたらう。
にはかへんろ記 (新字旧仮名) / 久保田万太郎(著)