精一杯せいいつぱい)” の例文
氷嚢こほりぶくろ生憎あいにくかつたので、きよあさとほ金盥かなだらひ手拭てぬぐひけてつてた。きよあたまやしてゐるうち、宗助そうすけ矢張やは精一杯せいいつぱいかたおさえてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
帳場ちやうばから此處こゝまゐうちも、とほりの大汗おほあせと、四人よつたり車夫しやふくちそろへ、精一杯せいいつぱい後押あとおしで、おともはいたしてまするけれども、前途さきのお請合うけあひはいたされず。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そのこゑ距離きよりとほいので、はげしく宗助そうすけ鼓膜こまくほどつよくはひゞかなかつたけれども、たしかに精一杯せいいつぱいふるつたものであつた。さうしてたゞ一人いちにん咽喉のどから個人こじん特色とくしよくびてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたくし不調法ぶてうはふにていたしかたござなく、それ精一杯せいいつぱいさふらふ」とひたひあせしてきこぐる。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
精一杯せいいつぱいつたのです。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)