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とくし
ふりがな文庫
“
篤志
(
とくし
)” の例文
鐵心道人の第一番の大
檀那
(
だんな
)
で、庵室を建ててやつたのも、諸經費の不足を出してやるのも、皆んなこの男の
篤志
(
とくし
)
だといふことです。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それでいて我々がまずどうにかせねばならぬのは、少数
篤志
(
とくし
)
の家の愉快よりも、他の大変な多数の者の幸福ということである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
何
(
なん
)
と……
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
を
昨年
(
さくねん
)
も
見
(
み
)
た。……
篤志
(
とくし
)
の
御方
(
おかた
)
は、
一寸
(
ちよつと
)
お
日記
(
につき
)
を
御覽
(
ごらん
)
を
願
(
ねが
)
ふ。
秋
(
あき
)
の
半
(
なかば
)
かけて
矢張
(
やつぱ
)
り
鬱々
(
うつ/\
)
陰々
(
いん/\
)
として
霖雨
(
ながあめ
)
があつた。
三日
(
みつか
)
とは
違
(
ちが
)
ふまい。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
料理法研究のためにとて中庭に仮の料理場を設け、テンピ、七輪、西洋鍋に至るまで来客の
睹
(
み
)
る前に順序
能
(
よ
)
く並べられ、
篤志
(
とくし
)
の料理人両三輩各受持の仕事に取かかる。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
僕天下の士を多く見候えども、無学にして
篤志
(
とくし
)
なることかくの如き人は多く見申さず、実に奇人なり。学ぶべし、頼るべし。別封の一通御覧、この人の心中察し給え。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
篤志
(
とくし
)
の方は、京都に行かれた節にでも、料理屋に命じて、醤油で煮つめさせ、一つ試みられてはいかが。これさえ食べれば、
一躍
(
いちやく
)
茶漬けの天下取りになれるわけである。
京都のごりの茶漬け
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
ハナショウブの花は
千差万別
(
せんさばんべつ
)
、数百品もあるであろう。かつて
三好学
(
みよしまなぶ
)
博士が大学にいる間に、『
花菖蒲図譜
(
はなしょうぶずふ
)
』を
著
(
あらわ
)
して
公
(
おおやけ
)
にしたが、まことに
篤志
(
とくし
)
の至りであるといってよい。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
独逸
(
ドイツ
)
の前線にも、聯合国側ほど豊富に女性の慰問の手紙や
篤志
(
とくし
)
看護婦がどんどん行っていたら、戦争の末期に、あんなひどい意気の
阻喪
(
そそう
)
の仕方はしなかったろうという事も聞いて知っています。
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
安子さん今日の目的は内藤夫人を三越へ誘って手土産を見繕い、それから良人達の謡曲の
篤志
(
とくし
)
師匠橋口家を訪れるにある。そうしてこの外出全般の主眼は交際即ち例の退屈凌ぎにあって存する。
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
鉄心道人の第一番の
大檀那
(
おおだんな
)
で、庵室を建ててやったのも、諸経費の不足を出してやるのも、みんなこの男の
篤志
(
とくし
)
だということです。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
最近に宮本演彦・吉田久一の二君の
篤志
(
とくし
)
によって、新たに採集せられてきた
川平
(
かびら
)
のマユンガナシの神詞の中にも、注意すべき実例が幾つかある。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
しかし
何
(
なに
)
は
御不足
(
ごふそく
)
でも
医学博士
(
いがくはかせ
)
、
三角康正
(
みすみかうせい
)
さんが、この一
行
(
かう
)
にお
加
(
くは
)
はり
下
(
くだ
)
すつて、
篤志
(
とくし
)
とまでも
恩
(
おん
)
に
着
(
き
)
せず、
少
(
すくな
)
い
徳本
(
とくごう
)
の
膝栗毛漫遊
(
ひざくりげまんいう
)
の
趣
(
おもむき
)
で、
村々
(
むら/\
)
で
御診察
(
ごしんさつ
)
をなすつたのは、
御地
(
おんち
)
に
取
(
と
)
つて
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これなどは荷馬車が多くなった時代に、主として
馬方
(
うまかた
)
が
篤志
(
とくし
)
ではこんだということで、これにもやはり行くさきが書いてあるのを、読める人がもう多くなったお
蔭
(
かげ
)
であった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その時、後を閉めようとして、ここに
篤志
(
とくし
)
の
夜伽
(
よとぎ
)
のあるのを知って
一揖
(
いちゆう
)
した。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“篤志”の意味
《名詞》
親切な志。特に、社会事業や公共の福祉のために熱心に協力しようとする心。
(出典:Wiktionary)
篤
常用漢字
中学
部首:⽵
16画
志
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“篤志”で始まる語句
篤志家
篤志労働団