こたえ)” の例文
立とまっては耳をかたむけ、こたえなき声を空林くうりんにかけたりして、到頭甲州街道に出た。一廻りして、今度は雑木山の東側のこみちを取って返した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
スウィーデンボルクまさに死せんとするや友人彼の心中の様を問う、彼こたえていわく「幼時老母の家をわんとするの喜悦よろこびあり」
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
またある若者わかものてどうふう生活せいかつをしたらいいかと相談そうだんけられる、と、他人たにんはまず一ばんかんがえるところであろうが、貴方あなたにはそのこたえはもうちゃんと出来できている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なにをきかれてもこのこたえ簡単かんたん明瞭めいりょう幽界ゆうかいそだった小供こどもには矢張やはりどこかちがったところがあるのでした。
ハイと主命をそむかずこたえはしたものゝ、お前の器量だから先に約束をした女でもあるのだろう
お登和嬢はとみこたえず、たれたるこうべはいよいよ下を向て一雫ひとしずく涙のたれし様子。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ジャンセエニュ先生せんせいはこのこたえではおりません。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
イエスこたえけるは人はパンのみにていくるものにあらずただ神の口よりいづすべてことばるとしるされたり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
えーもしお留守でございますか、おい/\師匠少しもこたえがねえから誰も居ねえのだろう