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あなぐら
ふりがな文庫
“
穴蔵
(
あなぐら
)” の例文
旧字:
穴藏
かれらの手にかかることは、みな、秘密であり
他聞
(
たぶん
)
をはばかるので、相談や打ち合せには、必ず、宗家の
穴蔵
(
あなぐら
)
部屋に寄るものにきまっていた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、それもこれも
直
(
じき
)
に
彼
(
かれ
)
を
疲労
(
つか
)
らしてしまう。
彼
(
かれ
)
はそこでふと
思
(
おも
)
い
着
(
つ
)
いた、
自分
(
じぶん
)
の
位置
(
いち
)
の
安全
(
あんぜん
)
を
計
(
はか
)
るには、
女主人
(
おんなあるじ
)
の
穴蔵
(
あなぐら
)
に
隠
(
かく
)
れているのが
上策
(
じょうさく
)
と。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ホールは気がるにひきうけ、じぶんの
部屋
(
へや
)
からいいつかったびんをとりだし、
穴蔵
(
あなぐら
)
へゆく
階段
(
かいだん
)
をかけおりようとした。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
例
(
たと
)
えば
深
(
ふか
)
い
深
(
ふか
)
い
穴蔵
(
あなぐら
)
の
奥
(
おく
)
と
言
(
い
)
ったような
具合
(
ぐあい
)
で、
空気
(
くうき
)
がしっとりと
肌
(
はだ
)
に
冷
(
つめ
)
たく
感
(
かん
)
じられ、そして
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
に、
何
(
なに
)
やらうようよ
動
(
うご
)
いているものが
見
(
み
)
えるのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
磯に沿うた
崖
(
がけ
)
と、小屋の支えになった
乱杭
(
らんぐい
)
の間の細道を歩かせられて、どうやら材木小屋の下を
潜
(
くぐ
)
って深い
穴蔵
(
あなぐら
)
の中へ引張り込まれて行くように思われてきました。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
足元は無論
穴蔵
(
あなぐら
)
の底を踏むと同然である。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ふん、それじゃ、いッそ、死ぬまでこの
穴蔵
(
あなぐら
)
で
隠居
(
いんきょ
)
をしていろ。たぶんもう二、三年は、この屋敷の戸を
開
(
あ
)
けにくる人間はないはずだから」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人は、お手伝いのミリーよりも早く起きて、いつものように
穴蔵
(
あなぐら
)
にしこんだビールにサルサ
根
(
こん
)
からとった
液
(
えき
)
をまぜ、いちだんと
味
(
あじ
)
をよくしようというのだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
この絶対の避難地とも安全地帯とも言える
穴蔵
(
あなぐら
)
の中で、いとも快き眠りを
貪
(
むさぼ
)
っているものですから、寝息とても非常に穏かなもので、昼寝の熟睡に落ちているのですが
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そうして
彼
(
かれ
)
は一
日中
(
にちじゅう
)
、また
一晩中
(
ひとばんじゅう
)
、
穴蔵
(
あなぐら
)
の
中
(
なか
)
に
立尽
(
たちつく
)
し、その
翌日
(
よくじつ
)
もやはり
出
(
で
)
ぬ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「こんな
穴蔵
(
あなぐら
)
の地獄に、なんの御未練でございます。御先祖様からの財宝を、残してゆくのが惜しいとでも……」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おかみさんは、まだ寝ぼけまなこをこすっているホールをひったてて、
穴蔵
(
あなぐら
)
におりていったが
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
世間の噂では持山の
穴蔵
(
あなぐら
)
の中へ、先祖代々積み隠しておく金銀は
莫大
(
ばくだい
)
とのこと、お上お調べの
額
(
たか
)
はいま申す通り古金二千両、新金千両、別に一分の
太鼓判
(
たいこばん
)
若干とのことなれば
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ウン、ゆうべ沖の客船から、四、五人の旅人をさらってきて、この下の
穴蔵
(
あなぐら
)
へほうりこんでおいたのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
気に入らぬものはみんな
縊
(
くび
)
り殺して、
穴蔵
(
あなぐら
)
の底に投げ落してしまうのだそうでございます。現に、幾人かの人の
屍
(
しかばね
)
が、胆吹の奥の山の洞穴の底に埋もれて、夜、青火が燃えさかるという話。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「じゃ、こうしちゃいられねえ。てめえたちは、
穴蔵
(
あなぐら
)
にいる子分を呼びあげて、すぐ
沖
(
おき
)
の鼻へ、船をまわして見張っていろ。おれはあとから、
早船
(
はやぶね
)
で追いつくから」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
穴蔵
(
あなぐら
)
の中に
蔵
(
かく
)
してあるから、あれを持って来るよ」
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
やがて——眼で見て初めて、
穴蔵
(
あなぐら
)
みたいに、昼間でも暗いわが家の奥をおえつと共に覗きこんだ。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
漠々
(
ばくばく
)
たる密雲に、夕陽が
射
(
さ
)
しているような有様。深い
穴蔵
(
あなぐら
)
の底へ万吉の声がひびいた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“穴蔵”の解説
穴蔵(あなぐら)は、地面や山盛り土の斜面に横穴・竪穴を造成または、既存のものを利用して、物を収納できるようにした倉庫。。穴倉・窖とも書く。
また、寒地で冬季藁仕事などする、地下に掘った仕事場。
(出典:Wikipedia)
穴
常用漢字
小6
部首:⽳
5画
蔵
常用漢字
小6
部首:⾋
15画
“穴蔵”で始まる語句
穴蔵部屋