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穀潰
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ごくつぶ
ふりがな文庫
“
穀潰
(
ごくつぶ
)” の例文
以前から善く聴きなれている「
業突張
(
ごうつくばり
)
」とか「
穀潰
(
ごくつぶ
)
し」とかいうような
辞
(
ことば
)
が、彼女のただれた心の
創
(
きず
)
のうえに、また新しい痛みを与えた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
しゃべって
潰
(
つぶ
)
すのも、黙って潰すのも、どうせ僕見たいな
穀潰
(
ごくつぶ
)
しにゃ、
同
(
おん
)
なし時間なんだから、ちっとも御遠慮にゃ及びません。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あの役立たずが、もっと早くそうすればよかっただに、それがお互えのためだったによ、……まあいいだ、
穀潰
(
ごくつぶ
)
しが減ったでな、さばさばしただよ」
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
言ふんです。そして——あの女は働きがあるからお前のやうなお人形首の
穀潰
(
ごくつぶ
)
しとは違ふ——つて
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
惰眠を
貪
(
むさぼ
)
りつつ
穀潰
(
ごくつぶ
)
しをやっておる者共は、今日少くとも日本国民三分の一位はあるであろう。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
縦令
(
たとひ
)
石橋
(
いしばし
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
理窟
(
りくつ
)
を
拈
(
ひね
)
る
頑固
(
ぐわんこ
)
党
(
とう
)
が
言
(
こと
)
の如く、
文学者
(
ぶんがくしや
)
を
以
(
もつ
)
て
放埓
(
はうらつ
)
遊惰
(
いうだ
)
怠慢
(
たいまん
)
痴呆
(
ちはう
)
社会
(
しやくわい
)
の
穀潰
(
ごくつぶ
)
し
太平
(
たいへい
)
の
寄生虫
(
きせいちう
)
となすも、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
文学者
(
ぶんがくしや
)
が
天下
(
てんか
)
の
最幸
(
さいかう
)
最福
(
さいふく
)
なる者たるに
少
(
すこ
)
しも
差閊
(
さしつかへ
)
なし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
家禄はありながらかくなり
行
(
ゆく
)
は、
穀潰
(
ごくつぶ
)
しとも
知行
(
ちぎょう
)
盗
(
ぬすみ
)
ともいうべし。(『太平絵詞』)
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
この観客にさえ
嗤
(
わら
)
われる黒吉は、勿論親方にとって、どんなに間抜けな、
穀潰
(
ごくつぶ
)
しに見えたかは充分想像が、出来るのだった。従って、黒吉に対する、親方の仕打ちがどんなものだったかも——
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
何の得る所なき自己陶酔、キザな神様気取りの、聖者気取りの
穀潰
(
ごくつぶ
)
しが、一人出来上る
丈
(
だけ
)
である。日本国民は、一時も早くそんな
陋態
(
ろうたい
)
から
蝉脱
(
せんだつ
)
して、一歩一歩向上の生きた仕事に従わねばならぬ。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
ただ外見上は至極沈静端粛の
態
(
てい
)
であるから、天下の凡眼はこれらの知識巨匠をもって
昏睡仮死
(
こんすいかし
)
の
庸人
(
ようじん
)
と
見做
(
みな
)
して無用の長物とか
穀潰
(
ごくつぶ
)
しとか入らざる
誹謗
(
ひぼう
)
の声を立てるのである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今や狭い地球上——ことにこの狭い日本では、
碌
(
ろく
)
でもない人間が
殖
(
ふ
)
え過ぎて
甚
(
はなは
)
だ困っている。
怠惰者
(
なまけもの
)
や意気地無しがドシドシ死んでしまえば、
穀潰
(
ごくつぶ
)
しの減るだけでも国家の為に幸福かも知れぬ。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
「書きたいさ。これでも書かなくっちゃ何のために生れて来たのかわからない。それが書けないときまった以上は
穀潰
(
ごくつぶ
)
し同然ださ。だから君の
厄介
(
やっかい
)
にまでなって、転地するがものはないんだ」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
穀
常用漢字
小6
部首:⽲
14画
潰
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
“穀”で始まる語句
穀
穀物
穀屋
穀倉
穀物倉
穀断
穀象
穀類
穀母
穀堆