砂地すなぢ)” の例文
かくてたとへば群鶴むらづるの、一部はリフエの連山やま/\にむかひ、また一部は砂地すなぢにむかひ、これ氷をかれ日を厭ひて飛ぶごとく 四三—四五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
が、砂地すなぢ引上ひきあげてある難破船なんぱせんの、わづかに其形そのかたちとゞめてる、三十こくづみ見覺みおぼえのある、ふなばたにかゝつて、五寸釘ごすんくぎをヒヤ/\とつかんで、また身震みぶるひをした。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
旦那、私には砂地すなぢと濱の香しか致しません。それは金雀えにしだ花ぢやあ御座いませんか、風で忍冬にんどうの蔓にからんだのです。色が褪めて、黄ばんできたないぢや御座いませんか。
わるい花 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
鶺鴒いしたたきひねもす岩に尾をたたき砂地すなぢだんだんくれにけるかな
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
私は或日、砂地すなぢかげへ身をひそめて
メランコリア (旧字旧仮名) / 三富朽葉(著)
下駄げたはさつきから砂地すなぢけるうちに、いつのにかいでしまつて、跣足はだしである。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ひやつこく、宛然さながらあみしたを、みづくゞつてるやう、砂地すなぢつてても身體からだゆらぎさうにおもはれて、不安心ふあんしんでならぬから、なみおそふとすた/\とあと退き、なみかへるとすた/\とまへすゝんで
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)