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眞如
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しんによ
蹴殺し給ふべしと
呪咀しけるに七日目の
明方十歳ばかりの
童子に
神乘遷り給ひ
聲荒らげ我が
本覺眞如の都を出で
和光同塵の
跡を
實にや
輪王位高けれども
七寶終に身に添はず、
雨露を凌がぬ
檐の下にも
圓頓の花は匂ふべく、
眞如の月は照らすべし。
そも/\
流れに
塵一ツ
浮びそめし
初めにて、
此心更に
追へども
去らず、
澄まさんと
思ふほど
掻きにごりて、
眞如の
月の
影は
何處、
朦々朧々の
淵ふかく
沈みて
亞尼は、
今は、
眞如の
月影清き、ウルピノ
山中の
草の
庵に、
罪もけがれもなく、
此世を
送つて
居る
事でせうが、あの
惡むべき
息子の
海賊は、
矢張印度洋の
浪を
枕に