眞如しんによ)” の例文
新字:真如
蹴殺けころし給ふべしと呪咀しゆそしけるに七日目の明方あけがた十歳ばかりの童子わらべかみ乘遷のりうつり給ひこゑあららげ我が本覺ほんがく眞如しんによの都を出で和光わくわう同塵どうぢんあと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
にや輪王りんのうくらゐたかけれども七寶しつぱうつひに身に添はず、雨露うろを凌がぬのきの下にも圓頓ゑんどんの花は匂ふべく、眞如しんによの月は照らすべし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そも/\ながれにちり一ツうかびそめしはじめにて、此心このこゝろさらへどもらず、まさんとおもふほどきにごりて、眞如しんによつきかげ何處いづく朦々朧々もう/\ろう/\ふちふかくしづみて
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
亞尼アンニーは、いまは、眞如しんによ月影つきかげきよき、ウルピノ山中さんちうくさいほりに、つみもけがれもなく、此世このよおくつてことでせうが、あのにくむべき息子むすこ海賊かいぞくは、矢張やはり印度洋インドやうなみまくら