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皆樣
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みなさま
『
皆樣は、
其樣にあの
兒を
可愛がつて
下さつたのですか。
妾は
何と
御禮の
言葉もございません。』と
雪のやうなる
頬に
微※の
波を
湛えて
口に
出して
私が
我子が
可愛いといふ
事を
申したら、
嘸皆樣は
大笑ひを
遊ばしましやう、それは
何方だからとて
我子の
憎いはありませぬもの
私は
默つて
點頭くと
夫人は
靜に
立上り『
皆樣のお
耳を
汚す
程ではありませんが。』と
伴はれてピアノ
臺の
上へ
登つた。
皆樣はしかし
冬の
間にも
木の
枝をよく
見ると
落葉樹でも
常緑樹でも、それ/″\
芽をもつてゐるのが
見える
筈です。