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痙攣的
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けいれんてき
ふりがな文庫
“
痙攣的
(
けいれんてき
)” の例文
ジャン・ヴァルジャンの首筋に向かって
痙攣的
(
けいれんてき
)
に手をあげるたびごとに、その手は非常な重さに圧せられるように再び下にたれた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
あの震える手——メントーニが宮殿の中へ入りかけた時にふとかの見知らぬ人の手の上に落ちたあの手——を
痙攣的
(
けいれんてき
)
に握りしめたことに
しめしあわせ
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
湯にむせ返って、看視人たちにしっかり抑えつけられた手足を
痙攣的
(
けいれんてき
)
にもがきながら、
喘
(
あえ
)
ぎ喘ぎ、何やら取留めのないことを
喚
(
わめ
)
き立てるのだった。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
そしてまた強い
痙攣
(
けいれん
)
するやうな
身顫
(
みぶるひ
)
をした。彼のすぐ傍にゐたので私は、憤怒、または絶望の
痙攣的
(
けいれんてき
)
な顫へが、彼の身體を駈けめぐるのを感じた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
笑いの現象を生理的に見ると、ある神経の刺激によって腹部のある筋肉が
痙攣的
(
けいれんてき
)
に収縮して肺の中の空気が週期的に断続して呼び出されるという事である。
笑い
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
そしてうつぶしになったまま
痙攣的
(
けいれんてき
)
に激しく泣き出した。倉地がその泣き声にちょっとためらって立ったまま見ている間に、葉子は心の中で叫びに叫んだ。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
彼女はちらと追窮するやうな視線をそれに向け、そのまゝ
俯向
(
うつむ
)
いて編物の針を
痙攣的
(
けいれんてき
)
に動かし初めた……
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
お沢 ええ!
口惜
(
くや
)
しい。(
殆
(
ほとん
)
ど
痙攣的
(
けいれんてき
)
に
丁
(
ちょう
)
と鉄槌を上げて、
面
(
おもて
)
斜めに
牙
(
きば
)
白く、思わず神職を凝視す。)
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吾輩が金田邸へ行くのは、招待こそ受けないが、決して
鰹
(
かつお
)
の
切身
(
きりみ
)
をちょろまかしたり、眼鼻が顔の中心に
痙攣的
(
けいれんてき
)
に密着している
狆
(
ちん
)
君などと密談するためではない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
唯円 (
痙攣的
(
けいれんてき
)
にかえでを抱く)永久にあなたを愛します。あなたは私のいのちです。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
痙攣的
(
けいれんてき
)
に目たたきをしている、蒼ざめた一つの顔を硝子の向うに浮べながら……
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
そればかりでなく、
痙攣的
(
けいれんてき
)
な、ピクピクと
顫
(
ふる
)
えるような、意味の分らない微笑が彼の面上に押し出されて、顔の色が一旦
蒼白
(
そうはく
)
に変り、やがて見る間に、かあッと上気したように
赧
(
あか
)
くなった。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
蜂は間もなく翅が
利
(
き
)
かなくなった。それから脚には
痲痺
(
まひ
)
が起った。最後に長い
嘴
(
くちばし
)
が
痙攣的
(
けいれんてき
)
に二三度
空
(
くう
)
を突いた。それが悲劇の終局であった。人間の死と変りない、刻薄な悲劇の終局であった。
女
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その中に
痙攣的
(
けいれんてき
)
の微動がダン/\遠退いて
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そして彼の唇が
痙攣的
(
けいれんてき
)
に震え始めた。
勲章を貰う話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
脈管を
痙攣的
(
けいれんてき
)
にめぐつてゐるのだ
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
頭は互いにぶっつかり合い、鉄の刑具は音を立て、
瞳
(
ひとみ
)
は
獰猛
(
どうもう
)
な色に燃え、手は
痙攣的
(
けいれんてき
)
に握りしめられ、あるいは死人のようにだらりと開いていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
うとましい音が彼れの腹に
応
(
こた
)
えて、馬は声も立てずに前膝をついて横倒しにどうと倒れた。
痙攣的
(
けいれんてき
)
に後脚で
蹴
(
け
)
るようなまねをして、潤みを持った眼は
可憐
(
かれん
)
にも何かを見詰めていた。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
しかし流れて行く人の表情が、まるで平和ではほとんど神話か
比喩
(
ひゆ
)
になってしまう。
痙攣的
(
けいれんてき
)
な
苦悶
(
くもん
)
はもとより、全幅の精神をうち
壊
(
こ
)
わすが、全然
色気
(
いろけ
)
のない平気な顔では人情が写らない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんなことが世にも恐ろしい
吼
(
ほ
)
え聲と
痙攣的
(
けいれんてき
)
な突進との眞只中に行はれたのである。それからロチスター氏は見てゐる人々の方に振り向いた。彼は
苦々
(
にが/\
)
しげな、而も寂しげな微笑を浮べて人々を見た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
時々彼女は目をさましかかってるように大きなため息をもらしては、ほとんど
痙攣的
(
けいれんてき
)
に人形を腕に抱きしめた。寝床のそばにはただ片方の
木靴
(
きぐつ
)
があった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
と突然彼は
痙攣的
(
けいれんてき
)
に身を震わし、その口はコゼットの衣裳に吸い着いて、それに
脣
(
くち
)
づけをした。彼がなお生きてることを示すものはただそれだけだった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
なお昔のとおり快活で激烈ではあったが、その快活さも悲しみと怒りを含んでるかのように
痙攣的
(
けいれんてき
)
の
峻酷
(
しゅんこく
)
さを帯び、その激烈さも常に一種の静かな
陰鬱
(
いんうつ
)
な
銷沈
(
しょうちん
)
に終わった。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
頑迷
(
がんめい
)
なる彼の思想が、
瞭然
(
りょうぜん
)
たる義務の下に
痙攣的
(
けいれんてき
)
なうめきを発したのも、幾度であったろう。神に対する抗争。暗い汗。多くの秘密な傷、彼ひとりだけが感ずる多くの出血。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼女はその骨立った黄色い両手を
痙攣的
(
けいれんてき
)
にしかと組み合わした。そして何か重いものを持ち上げようとするような深いため息が一つ彼女の胸からもれるのを、サンプリス修道女は聞いた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ごろごろいう音が
喉
(
のど
)
の奥から出、歯ががたがた震えた。そして彼女は
苦悶
(
くもん
)
のうちに両腕を差し伸べ、
痙攣的
(
けいれんてき
)
に両手を開き、おぼれる者のようにあたりをかき回し、それからにわかに
枕
(
まくら
)
の上に倒れた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そのうちにはなお、希望に似た何か熱烈な
痙攣的
(
けいれんてき
)
なものがあった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
痙
漢検1級
部首:⽧
12画
攣
漢検1級
部首:⼿
23画
的
常用漢字
小4
部首:⽩
8画
“痙攣”で始まる語句
痙攣
痙攣性
痙攣風