玉突たまつき)” の例文
しかしその頃には差当さしあたり生活には困らない理由があったので、玉突たまつきつりなどに退屈な日を送るかたわら、小説をもかいて見た事があったが
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
が、いつだつたか、或る雜誌ざつしにのつてゐたゴシツプによると、文藝ぶんげい余技よぎの内玉突たまつきと寫しんとではわたし筆頭ひつとうださうだ。
ばんになると倶楽部くらぶっては玉突たまつきをしてあそぶ、骨牌かるたあまこのまぬほう、そうして何時いつもおきまりの文句もんくをよく人間にんげん
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
何でも兄から玉突たまつきの歴史を聞いた上、ルイ十四世頃の銅版の玉突台をわざわざ見せられたような気がする。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
甚樣じんさまわたしの部屋へやへもおいでなされ、玉突たまつきしてあそびますほどに、と面白おもしろげにさそひて姉君あねきみはやねがしにはたはたと障子しやうじてヽ、姉樣ねえさまこれ、と懷中ふところよりなか
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大開おほはだけにつたあしに、ずぼんを穿いて、うす鶸茶ひわちやきぬの、手巾ハンケチ念入ねんいりやつを、あぶらぎつた、じと/\したくび玉突たまつき給仕きふじのネクタイとふうに、ぶらりとむすんで、おもて摺切すりきれた嵩高かさだか下駄げた
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ばんになると倶樂部くらぶつては玉突たまつきをしてあそぶ、骨牌かるたあまこのまぬはうさうして何時いつもおきまりの文句もんく人間にんげん
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)