牛乳屋ぎゅうにゅうや)” の例文
けれどもジョバンニは、いつかまたふかくびをたれて、そこらのにぎやかさとはまるでちがったことを考えながら、牛乳屋ぎゅうにゅうやの方へいそぐのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ちっとばかしでいいんだねえ。」と、ゆうちゃんは清吉せいきちかおながら、おさらを牛乳屋ぎゅうにゅうやさんのまえしました。
野菊の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あとへ深川の牛乳屋ぎゅうにゅうやそれがしがくる、子宮脱しきゅうだつができたからというので車でむかえにきたのである。家のありさまには気がつかず、さあさあといそぎたてるのである。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
牛乳屋ぎゅうにゅうやさんはいそがしそうに、いいのこして、また威勢いせいよくはしっていきました。小石こいしうえはこがおどるようです。ふりくと、ほこりがかぜかれていました。
野菊の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その牛乳屋ぎゅうにゅうやの黒いもんをはいり、牛のにおいのするうすくらい台所だいどころの前に立って、ジョバンニは帽子ぼうしをぬいで
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
花前は麻布あざぶ某所ぼうしょ中等ちゅうとう牛乳屋ぎゅうにゅうやをしておった。畜産ちくさん熱心家ねっしんか見職けんしきも高く、同業間どうぎょうかんにも推重すいちょうされておった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「ああ、そんならきみのところのいぬだったのかい。十日とおかばかりまえに、牛乳屋ぎゅうにゅうやがいいいぬひろってきたといってくれたのだよ。そんなら、それはきみうちのだかい……。」
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
主人も聞いてみると、すこしはうわさに聞いたことのある、花前はなまえという男だ。変人へんじんで手におえないとも、じつはかわいそうな人間だともいわれて、府下ふか牛乳屋ぎゅうにゅうやをわたっていたちちしぼりである。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
あか牛乳屋ぎゅうにゅうやくるまが、ガラ、ガラといえまえはしっていきました。幸吉こうきちは、はるひかりびた、そのあざやかなあかいろが、いまりたてたばかりのようながしました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
不思議ふしぎだなあ、牛乳屋ぎゅうにゅうやくるまと、紙芝居かみしばいのおじさんと、どうして、いつもいっしょにくるのだろうな。」と、ブリキみせから、そとていた幸吉こうきちは、おもったのでした。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
牛乳屋ぎゅうにゅうやさん!」と、清吉せいきちは、はしってちかづきました。
野菊の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)