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煩雑
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はんざつ
ふりがな文庫
“
煩雑
(
はんざつ
)” の例文
旧字:
煩雜
そうしてこの仕事のみならず出版に関する
煩雑
(
はんざつ
)
な仕事の一切を担任する式場隆三郎君の理解と努力とに深き感謝を送りたいと思います。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それまでは、各〻理念にも
惑
(
まど
)
ってみるが、智も働かしてみるが、死という点に到ると、もう途中の
妄智
(
もうち
)
や
煩雑
(
はんざつ
)
な是非はもたない。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
近所隣りや親類同士の附き合いがうるさかったりするので、その
為
(
た
)
めに余計な入費も懸るし、簡単に済ませることが
煩雑
(
はんざつ
)
になり、窮屈になるし
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
やがて象形文字の直観的
煩雑
(
はんざつ
)
性を克服し、半ばは音表文字の作用をも勤めつつ、直接に意味を現わす形象として、異常な発達を示して来たのである。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
たとえば、絵画については
輪廓
(
りんかく
)
本位の線画であること、色彩が濃厚でないこと、構図の
煩雑
(
はんざつ
)
でないことなどが「いき」の表現に適合する形式上の条件となり得る。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
▼ もっと見る
北方の諸政府に
隷属
(
れいぞく
)
服従していっそう
煩雑
(
はんざつ
)
をきたした、フランスの国民的伝統への表面上の復帰。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
土田の属する記録所は、役目の性質から多少は事務が
煩雑
(
はんざつ
)
になり、ときには下城が一刻もおくれることなどもあったが、吟味事件そのものにはむろんかかわりはなかった。
饒舌りすぎる
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
二の
氷店
(
こおりみせ
)
や西洋料理亭の
煩雑
(
はんざつ
)
な色彩が
畸形
(
きけい
)
な三角の旅館と白い大鉄橋風景の右
袂
(
たもと
)
に仕切られる。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
かかる生活を有するが為めに私の日常生活はどれ程
煩雑
(
はんざつ
)
な葛藤から救われているか知れない。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
庄造は
煩雑
(
はんざつ
)
なことが嫌いなので、妻も
嫁
(
めと
)
らず時どき訪れて来る俳友の他には、これと云って親しく交わる人もなく、一人一室に
籠居
(
ろうきょ
)
して句作をするのを何よりの楽しみにしていた。
狸と俳人
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それで
到頭
(
たう/\
)
落城
(
らくじやう
)
して
了
(
しま
)
つたのです、
此
(
こ
)
の
滅亡
(
めつばう
)
に
就
(
つ
)
いては三つの
原因
(
げんいん
)
が有るので、(一)は
印刷費
(
いんさつひ
)
の
負債
(
ふさい
)
、(二)は
編輯
(
へんしう
)
と会計との
事務
(
じむ
)
が
煩雑
(
はんざつ
)
に
成
(
な
)
つて来て、
修学
(
しうがく
)
の
片手業
(
かたてま
)
に
余
(
あま
)
るのと
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
現今の世の中では職業の数は
煩雑
(
はんざつ
)
になっている。私はかつて大学に職業学という講座を設けてはどうかということを考えた事がある。建議しやしませぬが、ただ考えたことがあるのです。
道楽と職業
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
少し
煩雑
(
はんざつ
)
すぎると思いますから、今度の事件の様々の不思議の中から、最も重大な、また異様な三つの出来事を拾い出して、僕の仮説がどんなものであるかをお察し願うことにしますが
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ところがこういう
煩雑
(
はんざつ
)
なる
扱
(
こ
)
き料を支給する必要もなく、さっさと家内の者限りで一日の中にも千
把
(
ば
)
二千把、機械を運転して籾落しが済むようになると、すなわち小農場は小さいながらに
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
近所の交番へ
訴
(
うった
)
え出ることでしたが、警官が簡単に納得して呉れるとも思われないし、それから先、警察署、警視庁、憲兵隊と階級的に軍事当局迄、通報されて行くであろう
煩雑
(
はんざつ
)
さを考えると
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
夫ワグナーを
煩雑
(
はんざつ
)
な
我慢
(
がまん
)
の出来ない生活に押し込めようとしたのである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
海陸の通路や城下の
旅籠
(
はたご
)
、寺院にいたるまで、旅客の往来に、きびしい制度と、
煩雑
(
はんざつ
)
な手続きを法令化したので、富山を中心とする経済的なうごきは、冬と共に、まったく停止してしまった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしながら、「いき」な建築にあってはこれら二元性の主張はもとより
煩雑
(
はんざつ
)
に陥ってはならない。なお一般に
瀟洒
(
しょうしゃ
)
を要求する点において、しばしば「いき」な模様と同様の性質を示している。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
十八世紀の
煩雑
(
はんざつ
)
軽薄な言葉でいわゆる半都会人半田舎者というあの階級、お
邸
(
やしき
)
から百姓家の方までひろがっていって平民どもの取って置きのたとえ言葉となってるものでいわゆる半平民半市民
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
亀甲
(
きっこう
)
模様は三対の平行線の組合せとして六角形を示しているが、「いき」であるには
煩雑
(
はんざつ
)
に過ぎる。
万字
(
まんじ
)
は垂直線と水平線との結合した十字形の先端が直角状に屈折しているので複雑な感を与える。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
“煩雑”の意味
《名詞・形容動詞》
煩雑(はんざつ)
物事が込み入っていて、わずらわしいさま。「煩雑な手続き」
(出典:Wiktionary)
煩
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
雑
常用漢字
小5
部首:⾫
14画
“煩”で始まる語句
煩
煩悶
煩悩
煩瑣
煩累
煩惱
煩悩児
煩悩即菩提
煩労
煩悩熾盛