清淨しやうじやう)” の例文
新字:清浄
清淨しやうじやうみづでもければ、不潔ふけつみづでもい、でもちやでもいのである。不潔ふけつみづでなかつたのは、りよがためには勿怪もつけさいはひであつた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
鳶尾草いちはつの花、清淨しやうじやう無垢むくかひなの上にいて見える脈管みやくくわんの薄い水色、肌身はだみ微笑ほゝゑみ、新しい大空おほぞらの清らかさ、朝空あさぞらのふとうつつた細流いさゝがは
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
さむ時分じぶんだからいけなかはたゞ薄濁うすにごりによどんでゐるだけで、すこしも清淨しやうじやうおもむきはなかつたが、向側むかふがはえるたかいし崖外がけはづまでえん欄干らんかんのある座敷ざしきしてところ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まだけがれを知らぬ清淨しやうじやう少女をとめり出して、稚兒ちごに立てねばならなかつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
だいなやますやまひまぼろしでございます。たゞ清淨しやうじやうみづこの受糧器じゆりやうきに一ぱいあればよろしい。まじなひなほしてしんぜます。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
髮に微笑ほゝゑみを含んで清い小川をがはの岸に寄りかかる少女子をとめご金雀花えにしだ、金髮の金雀花えにしだ色白いろじろ金雀花えにしだ清淨しやうじやう金雀花えにしだ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)