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しやうじやう
清淨な
水でも
好ければ、
不潔な
水でも
好い、
湯でも
茶でも
好いのである。
不潔な
水でなかつたのは、
閭がためには
勿怪の
幸であつた。
鳶尾草の花、
清淨無垢の
腕の上に
透いて見える
脈管の薄い水色、
肌身の
微笑、新しい
大空の清らかさ、
朝空のふと
映つた
細流。
寒い
時分だから
池の
中はたゞ
薄濁りに
淀んでゐる
丈で、
少しも
清淨な
趣はなかつたが、
向側に
見える
高い
石の
崖外れ
迄、
縁に
欄干のある
座敷が
突き
出して
居る
所が
まだ
穢れを知らぬ
清淨な
少女を
選り出して、
稚兒に立てねばならなかつた。
四
大の
身を
惱ます
病は
幻でございます。
只清淨な
水が
此受糧器に一ぱいあれば
宜しい。
呪で
直して
進ぜます。