沿革えんかく)” の例文
自分は其中で専門学科の沿革えんかくと進歩とを見るに最も便利な年報二三種を残して置いて、跡はことごとくわんの学校に寄附してしまつた。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
四六ばんから四六ばいの雑誌にうつまでには大分だいぶ沿革えんかくが有るのですが、今はく覚えません、印刷所いんさつじよ飯田町いひだまち中坂なかさか同益社どうえきしやふのにへて
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
最後の巻、即ち十七世紀の中頃から維新の変に至るまでの沿革えんかくは、今なお述作中にかかる未成品みせいひんに過ぎなかった。
ことのついでに、日本における遊女というものの沿革えんかくを老人に聞いてみると、古いところは万葉まんようあたりまでさかのぼる。
それは、子ともきに寫眞しやしん沿革えんかくから撮影さつえい現像げんぞう、燒つけほう、それに簡單かんたん暗箱あんはこつくり方までを説明せつめいしてある。たしか博文館はくぶんくわんはつ行のせう理科りくわそう書の一さつだつたかとおもふ。
余輩よはい所見しょけんをもって、旧中津藩の沿革えんかくを求め、ことに三十年来、余が目撃と記憶に存する事情の変化を察すれば、その大略、前条のごとくにして、たとい僥倖にもせよ、またはあきらかに原因あるにもせよ
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
十分な事を書くわけには行かんのでありますから、当時たうじ往来わうらいしてつた人達ひとたち問合とひあはせて、各方面かくはうめんから事実をげなければ、沿革えんかくふべき者を書く事は出来できません
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
硯友社けんいうしや沿革えんかくいては、他日たじつすこぶくはしく心得こゝろえこゝにはわづか機関雑誌きくわんざつし変遷へんせん略叙りやくじよしたので、それも一向いつかう要領えうりやうませんが、お話をる用意が無かつたのですから、這麼こんなこと御免ごめんかふむります
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)