“えんかく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
沿革37.5%
遠隔37.5%
円覚6.3%
煙客6.3%
燕角6.3%
簷角6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四六ばんから四六ばいの雑誌にうつまでには大分だいぶ沿革えんかくが有るのですが、今はく覚えません、印刷所いんさつじよ飯田町いひだまち中坂なかさか同益社どうえきしやふのにへて
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しかし私は、遠隔えんかくの地にいて調べられるだけの事は調べてしまった訳であるから、もしあの時分に津村の勧誘かんゆうがなかったら、まさかあんな山奥まで出かけはしなかったであろう。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
今も守礼しゅれいの門は心を正せよと告げているのです。歓会かんかいの石彫は神域を犯すなと守っているのです。円覚えんかくの山門は修行せよといましめているのです。鬱々うつうつたる城下の森は千歳をことほいでいるのです。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「神品です。なるほどこれでは煙客えんかく先生が、驚倒きょうとうされたのも不思議はありません」
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
雀躍じゃくやくして家にとって返した紀昌は、再び窓際の虱に立向い、燕角えんかくゆみ朔蓬さくほうやがらをつがえてこれを射れば、矢は見事に虱の心の臓をつらぬいて、しかも虱を繋いだ毛さえれぬ。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
皎潔けうけつ雪をあざむく上半の屋蓋は、高く碧空に聳えて、幾多の簷角えんかく、幾多の塔尖より石人の形の現れたるさま、この世に有るべきものともおもはれず。